目からウロコの押入れ収納術!奥行きもフル活用した効率的なしまい方とは?

日本の「押入れ」事情

今も根強く残っている日本の「押入れ」文化。大容量の収納場所にもかかわらず不便さを感じている人が増えてきたようですが、今まではそれが主流でした。

現代の日本家屋の特徴と押入れの問題点

昔は寝る場所もご飯を食べる場所も、すべてひとつの部屋でした。もちろんベッドもありません。このため、布団をあげて生活空間を広く使ううために、布団がきっちり片付けられるサイズの押入れが必要だったのです。

今は時代が変わり、寝るための寝室、ご飯を食べるためのダイニング、くつろぐためのリビングと、家の中で目的別に部屋が作られるようになっています。床はフローリングが増え、布団ではなくベッドで寝ることが増えました。

ですが、相変わらず押し入れは布団を入れるのにちょうどいい奥行きのある空間で作られているのです。こうして、押入れは今の生活スタイルと少しズレを感じさせる収納場所となったようです。

特に問題なのは、気密性の高い現代の日本家屋では、押入れに湿気が溜まりやすいということ。大切なものだから押入れに収納していたのに、出してみたらカビだらけだった、なんていうことも珍しくありません。

生活スタイルに合わせた「押入れ収納」が注目されています

しかし、家を作る際には慣例的に押入れを作ってしまう…というのが実状のようです。注文住宅ならば「押入れは全てクローゼットに変更」ができますが、賃貸住宅などではそれも難しいですよね。

それなら知恵を絞って快適に使えるように工夫するしかありません。みんなはどのような使い方をしているのでしょうか。詳しく見ていきましょう!

押入れのウィークポイントを解消する3つの収納方法

まずは押入れのウィークポイントとその対策法を見ていきましょう。

押入れの問題点

押入れの構造は、上から順に、枕棚、中段、下段という3段構造になっています。そして、押入れの問題点で大きなものは以下の3つです。

  1. 湿気がたまりやすくカビやすい
  2. 奥行きがありすぎて使いづらい
  3. 中板や天袋で仕切り板があり、家具などが設置できない

具体的な対処方法を見ていきますね。

1.湿気は「すのこ」で対策しよう!

湿気がたまりやすい押入れ。もちろん定期的な換気や掃除が欠かせませんが、すのこで対策するのが一番です。

すのこを壁と床に置いておくことで、適度な空間が生まれ、そこを空気が循環できるようになります。湿気がたまりづらくなれば、自然とカビも抑えられますよ。

国産の桐やひのき素材のものは吸湿性もあり、押入れの中に入れておくには最適です。一方で安いプラスチック製のものは、カビることがないのがポイント。自宅の押入れの環境と照らし合わせて選ぶといいですね。

桐やヒノキなど天然素材のすのこ

日本の家具の材料として古くから使われている素材ですので、軽くて吸湿性があり、押入れの湿気対策に適しています。ですが、すのこ自体にカビが生えることもあるので、定期的に陰干しなどする必要があります。

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プラスチック製のすのこ

プラスチックのすのこは何より安くて本体そのものがカビないというのがメリット。ただし、重いものを乗せると割れてしまう恐れがあるので、押入れの中身とあわせて対策をしてください。

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2.奥行きがありすぎて使いづらい

ついついため込みがちな押入れ。奥に押し込んでしまうと、手も届きづらくなってしまい、中のものが死蔵品になってしまうことが多々あります。

こういう時は、中身の見えるクリアボックスなどで保管するようにするとひと目で内容が把握できて便利です。

クリアタイプの引き出し収納をセット

中身が見えるので、押入れの中にあっても何を入れているのかすぐにわかります。特に奥行きの広い押入れではキャスター付きで移動しやすいものにすると後々の管理が楽になりますよ。

3.中板や枕棚で仕切り板があり、家具などが設置できない

押入れの特徴でもある「仕切り板」のせいで、自由な使い道ができなくて困っているケースも多いようです。中にはDIYで中板を取り外す例も良くみますが、賃貸住宅ではなかなか難しいですよね。

DIYで中板を取り外す

中板を外せばレイアウトは格段にしやすくなりますが、専門知識も必要になります。賃貸住宅の場合は管理会社に必ず許可を取るようにして下さい。

こういう場合、押入れのサイズに自分の生活を合わせていく工夫が必要になります。例えば上の段(中段)は手の届きやすい場所なので、クローゼットのように洋服をかけるスペースにする。

下の段は重いものや、シーズンオフの物をしまっておく、などのように、工夫次第で快適に使うことができます。

次から、具体的に押入れ収納のポイントを見ていきたいと思います。

押入れに何を入れるかを考える

押入れに限らず、整理整頓の基本は「入れたいものの総量を把握する」ことです。それを考えずに作業をするとかえって手間がかかる原因になります。

1.「要るもの」と「要らないもの」の区別をする

押入れには「要るか要らないのか、判断がつかないのでとりあえず押し込んでおこう」といった「どっちつかずの品」がたくさん入っていることが多いものです。

こういうときに押入れの大容量スペースは悪い意味で役に立ってしまうんですね。とにかく何もかも押し込んで、ふすまを閉めて、自分の優柔不断さを「なかったことにしてくれる」便利な空間になってしまっていませんか?

一度、中身をすべて出してしまってチェックしましょう。カビたりしているものは潔く捨て、要るのか要らないのかの判断をし、まずは押入れの中をスッキリさせます!

自分を見直すつもりで、押入れの中をチェックしてみましょう!

収納の第一歩です。ひとつひとつのものと向き合う時間を作ってみてください

2.グループにまとめて、定位置を決めてあげる

こうして収納したいもの(収納しなければならないもの)が決まったら、これをグルーピングしていきます。押入れはなんでも置いておける便利な場所ではなく、やはりきちんと目的をもって使わないといけません

例えば、子ども部屋の押入れなら、子ども用品を置くようにしましょう。スペースが残っているからと言って親の持ち物を置いたりしないことです。

また、せっかく収納場所を決めたのに、毎回置き場所を変えるようなこともあまり好ましくありません。

3.収まりよく、取り出しやすいように収納する

準備が整ったら押入れに収納していきます。この時も、家事動線などを考えていきましょう。

取り出すのに苦労する天袋には、年に1~2度しか使わないような、使用頻度の低いものを収納するといいですね。

また、下段は重いもの、大きなものを収納するようにするといいでしょう。地震などの際にも重いものを低い位置に収納しておいたほうが安全です。

中段は一番ものの出入りが激しい場所。アイデアとアイテムを駆使して使いやすい空間にしたいところですね。

ですが、もちろんこれは大人を基準にした考え方。子どもの場合、手の届きやすい場所は押入れの「下段」です。子ども部屋の押入れのことなら、下段を中心に考えないといけませんよ。

子どもを中心に考えた押入れのレイアウト

使う人によって「どこが一番使いやすい場所か」は変わります。この例では、子どもの手が届く場所に子どもの絵本を収納しています。「取り出しやすい」ことが収納の基本だと覚えておきましょう

場所別に使い分けたい収納アイテム【枕棚編】

押入れの一番高いところが「天袋」です。ここに収納するのは使用頻度の低いものにするのが鉄則

そうなると、中身が分からなくなる可能性が高いので、必ず外からひと目で分かるように工夫して下さいね。

枕棚収納に便利な収納ケース

枕棚は脚立などを使わないと手が届かない位置にあり、普段使いの物などを入れるには不適切な場所です。

また、地震の時などを考えると、落下の危険もあるのであまり重量のあるものも置かない方がいいですね。

こういう場合、「家族の思い出の品」や、羽毛布団などせいぜい年に一度入れ替えるかどうかというものを指定席にしましょう。

枕棚に収納する場合、手軽に取り出せるように、取っ手などのついているものがいいでしょう。収納する際には、必ず「中に何を入れたか」を書いておくといいですよ。

取っ手のある「バンカーズボックス」

取り出しやすく、何が入っているか簡単に記名できるのが天袋収納に向いています。箱自体が軽いので、出し入れも楽ですね。100均でも数多く取り扱っています。

IKEA収納ボックス「SKUBB」シリーズ

使わないときは底のファスナーを開いて畳むことができる、IKEAの人気収納ボックス。持ち手もついていて、高いところにおいても出し入れしやすいのが特徴!中身が分かるようにタグなどつけておくとさらに便利。

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場所別に使い分けたい収納アイテム【中段編】

押入れの中段は一番手が届きやすく、ものが移動する場所です。こういう場所には普段よく使うもの、出し入れの頻繁なものをいれるといいでしょう。

普段着ている衣類をクローゼットのように保管している人や、布団の上げ下げをする人はここを使います。

中段をクローゼットのように使用したい場合

押入れ中段に衣類を収納する場合は、押入れ中段の幅に合わせて調整ができる「パイプハンガー」などを使うと便利。和室の押入れでは諦めていた「クローゼット」の使い心地が手に入ります!

パイプハンガーに洋服を掛けて、クローゼットのように使う方法

持っている洋服がひと目で見渡せます。開いている手前のスペースには小物やバッグなどを置くとコーディネートもしやすくなりますよ。

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二段あるパイプハンガーを使っても奥行きが活かせます

前の段には普段使いの衣類、後ろの段にはシーズンオフのもの、というふうに区別して使うと使いやすいですね。

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突っ張り棒を使って中段を全部衣類収納にした例

20キロまで対応する押入れ用の突っ張り棒。洋服をたくさん持っている人にはおすすめです。下から支える支柱があるので強度もあります

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小物は三段ボックスなどで効率よく間仕切り

押入れの場合、ふすまの開け閉めを考えると、「左右」で区切る方が多いと思います。

片方にパイプハンガーを置いた場合、もう片方には小物などを効率よく収納できるように、三段ボックスやメタルラックなどで小物用のスペースを作ると便利ですよ。

押入れの隙間にピッタリ!な三段カラーボックス

収納と言えばカラーボックス。隙間にシンデレラフィットし、動かすのも楽にできます。

隙間も100均ワイヤーネットでフル活用

アクセサリーやネクタイ、バッグなどのさらに小さな小物類は置き場に困るもの。こういう時、押入れの壁を活用してワイヤーネットをひっかけてみましょう。

100均などに売っているもので十分です。こんな隙間まで活用できるのも、押入れが大容量の収納場所だからです。

壁にワイヤーネットを添わせてひっかけるだけ

壁面まで無駄にせず収納スペースが生まれます。小さなアクセサリーなどの小物は引き出し収納が不向き。ワイヤーネットに引っ掛けて「見せる」収納が便利ですよ。

場所別に使い分けたい収納アイテム【下段編】

押入れの下段は、中段ほど使用頻度は高くないものの、年に数回は出し入れもするようなもので、なおかつ重いものを置くのに適している場所です。

ただし、腰をかがめた状態で重いものの出し入れをすると、腰を痛めることにもなります。「楽に出し入れができるような工夫」が必要です。

シーズンオフの衣類を収納

衣替えをした後の衣類などはしばらく取り出す予定がありませんよね。こういう使用頻度の低いものを収納しておくのに、押入れの下段は適しています。

ですが、奥行きがあるため、いざというときに出し入れしにくいのが困ったもの。こういう場合、キャスター付きの長い衣装ケースなどで奥行きまで無駄にせず収納できるようにしましょう。

キャスター付き衣類ケースで移動しやすく保管

下段には重さのあるものを収納しまう。重いので、なるべくキャスター付きの収納ボックスなどに入れておくようにしましょう。取り出すときに力が要らず、掃除も楽になります。

透明~半透明のボックスなら中身も見やすくなります

中身がある程度見えたほうが確認する手間が省けることもあります。透明とはいかなくても、半透明くらいの収納ボックスを使うようにしておくと、衣替えなどが楽に進みますよ。

家電や本棚の収納にも丈夫なキャスター付き収納がおススメ

押入れに収納するものは何も衣類だけとは限りません。掃除道具や日用品のストックなど、こまごましたものをたくさん収めないといけないと思います。

こういう時に便利な収納アイテムをご紹介しますね。

ニトリ「押入れ収納キャリー」

季節によって入れ替える扇風機やヒーターなどの家電製品の収納にも便利です。押入れにピッタリなサイズなのが嬉しいですね!

本などの収納には、「押入れ用キャスター付き本棚」が有効です

かさばるし重たいけれどなかなか捨てられないのが本です。よく、ダンボールに詰め込んで押入れに押し込む人がいますが、いざというときに取り出しにくい上に、風通しが悪く本をカビさせてしまう原因にもなります

押入れ専用のキャスター付き本棚でスッキリ収納しましょう!

押入れを改造して好みの空間にしてしまおう!

収納からは少し外れるかもしれませんが、押入れがもっと楽しくなるようなアイデアを集めてみました。大容量の収納スペースである押入れに、プラスアルファしたいと思います。

子どものおもちゃ収納をするなら「キッズスペース」併設で!

押入れで子どものおもちゃを収納したいと考えているお家は必見です。どうせおもちゃを収納するのなら、そこに子どもの遊ぶスペースも作ってしまいましょう!

小さな子どもにとっては秘密基地のような楽しさがあり、おもちゃにとってはきちんと帰る家ができるので、自然とお片付けが身に付きますね

賃貸住宅でもリメイクシートなどを駆使して楽しむことができますし、来客の時などはふすまを閉めればOK!

押入れと子どものあそびスペースが合体!「押入れキッズスペース」

子どもの体重なら中板の上でも遊ぶことができます。女の子なら可愛いカフェ風に、男の子なら秘密基地風にかっこよくしてあげましょう。壁紙に100均のリメイクシートを貼ったりするだけでも雰囲気が大きく変わります

押入れがそのまま「学習机」に大変身! 文房具の収納も楽々!

押入れを使わないならいっそ子どもの学習机に変えてみるのもアリではないでしょうか。中板に天板を乗せるだけで、立派な学習机に早変わりです。

奥行きがあるので、文房具や教科書、大きなランドセルなども余裕で収納できてしまいます。上にロールカーテンをセットしておけば、いざというときはシュッとカーテンを下ろすだけで見た目がスッキリしますよ。

使わない押入れはそのまま学習机に

学校に必要なものは全てこの空間に収納が可能。賢い空間の利用の仕方ですね!

子どもの内しか楽しめない、「押入れベッド」

小さな子どもにとって意外とワクワク体験になるのが「押入れベッド」。単純に押入れで寝るだけの話なのですが、一人だけの時間を手に入れた子どもはきっと喜んでくれるはず

小さなライトをひとつつけてあげれば、好きな本を片手にベッドに向かってくれるでしょう。

子どもが一人の時間を楽しめる「押入れベッド」

子どもが一人で寝れるようになったらぜひ作ってみてあげてください。完全にベッドにしなくても、本棚と一緒にくつろげるクッションを置いて、読書が楽しめる「リーディングヌック」にしてもいいですね

押入れを「コレクションルーム」に改造

大容量で収納できる押入れ。趣味で集めたコレクションを一堂に並べて置くのにはぴったりの空間です。棚板などをセットして、好きなものだけを揃えたコレクションルームにしてみた例です。

ドールやフィギュアなどのコレクションルームに

趣味で集めたもの、大切なものをズラリ勢ぞろいさせましょう。奥行きのある押し入れは飾り付ければ圧巻です!ふすまという扉もついているので、直射日光をあびることもなく、コレクションが傷むのを防げます。

赤ちゃんのおむつ替えコーナーにも押入れは優秀!

ふすまをはずして大開口にしてしまえば、高さ的にも赤ちゃんのお世話をするのにちょうどいい場所。オムツや着替えなどの場所を取る赤ちゃん用グッズも一緒に収納できますし、これはなかなか斬新なアイデアですね!

ベビーベッドの代わりに押入れを使って

押入れをきれいに整理しておけば、赤ちゃんの専用スペースにも使えます。屈まなくてもいい高さに中板がありますし、収納も大容量

収納が済んだ後に考えておきたいこと

押入れの収納が終わり、ほっと一息ついたところでしょうか。ですが、最後にやっておいてほしいことがあります。

どこに何を片付けたを示した「収納マップ」の作成

自分ではわかりやすく収納できた! と満足していても、他の家族が分からなければ意味がありませんよね。

他の人にも分かりやすく、地図のようなメモにして、押入れの壁にでも貼っておくと、いざというときに家族も安心です。これは押入れだけに限りませんので、いろんな場所で作っておくと便利ですよ。

誰にでもわかりやすい「収納マップ」

ものの量が多い押入れ。誰が見ても分かりやすい押入れになったならいいのですが、分かりやすく家族に伝えるため、収納マップを添えておくと便利です。

押入れの「ふすま」を考え直してみる

押入れを使いづらくしている要因の一つに「ふすま」があります。基本的に押入れの左右どちらかの空間しか使えないのもふすまのせいですよね。

ふすまを取り払い、あえてオープンにして使ったり、カーテンに変えたりすると、それだけで中のものが取り出しやすくなり、押入れの中が生きてきます。

「中が見やすい」というのは収納においてとても大切なことなんです。

ふすまを取り払い、ロールカーテンを設置した例

開ければ一気に中が見渡せるので、収納や掃除が楽に感じられます。

「7~8割に留める」ことが押入れ収納術で一番大切なこと

便利な押入れの使い方を色々見てきました。大容量の収納場所ですから、奥行きまで使いこなして生活を快適にしたいものです。

ですが、やはり収納は7~8割くらいに留めておくのが押入れ収納術の極意。多少の余裕を残して置けば、中の見通しが良くなり、買い物の重複を防げます。

なにより押入れの中の風通しが良くなり、カビやダニを防いで、中の荷物を長持ちさせることができるんです。押入れと同じように、生活にも余裕をもって過ごしたいものですね!