多肉植物とは
多肉植物とは、葉っぱや茎などに水を蓄えている植物のことを指します。そのため、多肉植物の葉っぱや茎は膨らんでいるんです。
また、原産地はアフリカなどの乾燥地帯。水を含んで丸みを帯びた可愛らしい姿と、乾燥に強く水やりの手間がかからないことが主な人気の理由です。
種類と特徴
多肉植物の種類は、育ち方の違いによって大きく3つに分けられています。
- 夏型
- 冬型
- 春秋型
4~10月頃に最も育つ夏型。日光をたくさん浴びさせた方が良いようです。
冬になると休眠します。
9~6月頃に最も育つ冬型。寒さには強いですが、暑さには弱い傾向があります。
休眠するのは5月頃~。
春(2~6月頃)・秋(9~11月頃)に最も育ち、夏・冬と年に2回休眠する春秋型。
どんな育て方をしたらいいの?
水やりは滅多にしなくて良いとされる多肉植物。とはいえ、いつ水やりをすればいいのか、日光に当てる?当てない??など、疑問に思うことってありますよね。
そこで、育て方についての基本や注意することをご紹介します。
育て方の基本
育てる場所
乾燥に強く湿気に弱い多肉植物。ベストな生育環境は「風通しが良く、適度に日のあたるところ」。直射日光を浴び続けると葉焼けを起こしてしまいます。
室内であれば、お部屋の明るいところや窓際、外であればベランダや庭の風通しが良く直射日光が当たらないところが良いですね。
とはいえ、温暖な地域が原産の多肉植物は、真冬の厳しい寒さが苦手。また、外だと不意な直射日光に当たってしまう可能性だってありますよね。ですので、初心者の場合は、まず室内で育てることをおすすめします。
水やりについて
水やりの目安は「土が完全に乾いていること」。つい心配になって土が乾ききらないうちに水やりをしてしまいがちですが、不要な水を与えてしまうことは根腐れを起こす原因になってしまいます。
また、水やりの際は、水が溜まりやすい葉っぱを避け、根元に向かって水やりをし、底に溜まった水は捨てるようにしてください。
夏型・冬型・春秋型それぞれの最も育つ時期には、たっぷりの水を。逆に休眠している時期には、ほとんど水やりは必要ありません。
あまりにも土が乾燥している場合など、水やりは多くても少量を月1回くらいに抑えておくようにしましょう。
植え替えって必要?
一番下の葉っぱが枯れていたり、鉢の底から根が出てきていたら植え替えしたほうが良いですね。
植え替えには、根が成長しすぎて起こる根詰まりや、土の養分不足の解消のほかに、水はけを改善する役目もあります。
また、休眠している時期に植え替えすると枯れることがあるので、毎年、最も育つ時期に移り変わったタイミングで植え替えをするのが理想的です。
どんな土を使う?肥料って必要なの?
多肉植物に向いているのは「水はけの良い土」。数種類の土を揃えてブレンドする方法もありますが、多肉植物専用の土を使うのが1番手っ取り早くておすすめです!
また、実は水だけでなく、あまり肥料を必要としないのも多肉植物の特徴。肥料については、植え替えのタイミングで緩効性化成肥料を土に混ぜたり、ちょっとしょんぼりしちゃったな…って時に多肉植物用の肥料を与えるくらいで大丈夫ですよ。
植え替えの仕方
湿り気のある土は扱い辛く、根を傷めてしまいがち。植え替えをする時は、1週間ほど水やりを止めて、土を乾いた状態にしておいてくださいね。
まずは、植え替える新しい鉢の準備をします。新しい鉢は、成長を考えて1周りくらい大きい鉢がおすすめです。
鉢底ネットを敷き、その上に軽石(軽石には水はけを良くする効果があります。)を敷いて、新しい土を鉢の1/3くらいのところまで入れておきます。
次に、多肉植物を鉢から取り出し、土を根から優しく取り除き、長すぎたり、黒ずんで傷んだ根は清潔なハサミでカットします。
もし、根が水分を含んでいるようでしたら、ここで作業を一旦ストップ。根腐れ防止のため、風通しの良い半日陰でよく乾かしてから、続きを行うようにしてください。
あらかじめ準備しておいた新しい鉢に入れ、水やりの際にあふれてしまわないよう、ふちから1~2㎝ほど余裕を持たせて、多肉植物の周りに新しい土をかぶせていきます。
植え替え直後に水やりはせず、1週間ほど経って土が乾いてから水やりをするようにしてくださいね。
病気のサインと対処法
黒斑病
葉っぱや茎に黒い斑点ができてしまう病気。発生しやすい時期としては、梅雨時期~夏。雨や曇りで高温多湿の状態が続くことが病気の原因です。
高温多湿の状態を避けられる環境にしたり、移動させて病気を防ぐことはできますが、残念ながら、病気にかかってしまってできた黒い斑点が消えることはありません。
とはいえ、この病気が原因で枯れてしまうことはほとんどないので、成長して新しい葉が出てくるまで、引き続きお世話を続けながら見守ってあげてくださいね。
根腐病
色が変わって元気がなくなっていたり、土から異臭がする…そんな場合は根っこを観察してみてください。黒くなって傷んでいたら「根腐病」の可能性が高いです。
根腐病は、土が湿ったままの状態や、根詰まりを起こした状態がずっと続いていたり、風通しの悪い環境が原因で、カビが発生してしまい起こる病気です。
対処法としては、傷んだ根や葉をカット、しっかりと乾燥させ、植え替えてあげること。それから、日当たりと風通しの良いところに移動させ、乾燥を促すことで悪化を防ぎます。
対処が早ければ早いほど、回復の余地はありますが、遅いと回復困難な根腐病。そうならないためにも、多肉植物の過ごしやすい環境作りを心がけてあげてくださいね。
害虫対策はどうする?
一旦、発生してしまうと非常に厄介な害虫。多肉植物が狙われやすい害虫としては、アブラムシ・カイガラムシ・ハダニなどがいます。
どういった害があるかと言うと、葉や茎から汁を吸って弱らせ、変形や変色を引き起こすだけでなく、ウイルスを媒介することで病気になってしまうことも…。
予防法としては、通気性の良いところに置いて、乾燥させすぎないようにすること。(カイガラムシやハダニは乾燥しているところを好みます!)
また、殺虫剤をまいておくとさらに予防効果が高まります。万が一発生してしまった場合は、繁殖や被害が拡大する前にできるだけ早い段階で駆除することが肝心。
そのためにも、日頃から何か変わった様子がないか、きちんと観察するようにしておくと良いですね。
初心者におすすめ!多肉植物6選
グリーンネックレス

ぷっくりとした、愛らしく丸みのある葉っぱが、まるでネックレスのようにつながっているグリーンネックレス。
寒さや強い乾燥に強く、適度な日の当たる場所を好むことから、どちらかというと室内で育てるのに向いています。直射日光に当てたり、水のやりすぎには気を付けてくださいね。
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星美人

白い粉をまとった楕円形の肉厚な葉っぱが特徴的な星美人。季節によっては色の変化が見られるのも、成長過程での楽しみの1つ。
寒さや真夏の暑さに弱いことから、室内で育てるのに向いています。また、日光を好むので、室内でも風通しが良く日が当たるところが好ましいでしょう。
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ブロンズ姫

赤みを帯びた葉っぱが集まった姿が、鮮やかに咲いた花のようなブロンズ姫。
性質は愛らしい名前とは対照的とも言えるタフなもので、暑さ・寒さの両方に強く、日の当たる場所を好みます。
ベランダなどの屋外に置いたままでも育てられますし、水やりは半月~1か月に1回、土の表面が湿る程度で大丈夫。
とはいえ、雨や凍るような極端な寒さ、水のやりすぎは避けるようにしてくださいね。
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虹の玉

ぷっくりツルツルな葉っぱが可愛らしく、季節によって色の変化や、小さな黄色い花を咲かせることもある虹の玉。性質はブロンズ姫と同様。タフで、水やりもほとんどいりません。
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おぼろ月
出典:Rakuten
幻想的とも言える葉っぱの色と、葉っぱが織りなす花のような形。真夏の暑さや凍ってしまうほどの寒さを除けば、日向でも日陰でも成長します。
とはいえ、繁殖力が強いので、日向にずっと置いておくと成長しすぎて不格好になってしまうことも。
日向より成長は劣りますが、初めのうちは半日陰のところで様子を見ても良いかもしれませんね。
グリムワン

まるで、きれいな蓮の花を連想させるようなグリムワン。霜に触れても大丈夫なくらい寒さに強く、日当たりと風通しの良いところを好みます。
水やりもほとんど必要せず、半月~1か月に1回、土の表面が湿る程度。日光不足や葉焼けに注意しながら、適度に日光浴をさせてあげてくださいね。
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多肉植物をおしゃれにアレンジ♪
寄せ植えにチャレンジ!
まるでフラワーアレンジメントのような感覚で楽しめる、多肉植物の寄せ植え。ぷくぷくとしていて可愛らしい多肉植物を寄せ植えすることで、可愛いらしさも倍増します♡
また、多肉植物の組み合わせやアレンジを考えるのも楽しみの1つ。そこで、寄せ植えの仕方や、おすすめの素敵なアレンジをご紹介します。
ポイント
夏型・冬型・春秋型の多肉植物が混在していると、成長のタイミングがバラバラでお世話が難しくなってしまいがち。
寄せ植えする場合、夏型同士や、冬型だけといった、成長のタイミングが似ている多肉植物を揃えるのがおすすめです。
寄せ植えの仕方
基本的には、植え替えの時と同様。土と根っこをしっかりと乾燥させてから、作業に移ります。寄せ植えしたい鉢や器に鉢底ネット、軽石の順に敷き、新しい土を鉢の1/3くらいのところまで入れておきます。
次に、多肉植物を鉢から取り出し、土を根から優しく取り除き、長すぎたり、黒ずんで傷んだ根は清潔なハサミでカットします。(根が水分を含んでいたら、よく乾かすことも忘れずに!)
ここまで準備が整ったら、寄せ植えする鉢や器に、まずは仮置きしてみましょう。好みの配置が決まったら、周りに土をかけて固定します。
小さかったり、葉が落ちやすい多肉植物は、ピンセットを使うと便利。軽く土に穴を空け、優しく押し込むように植え付けると良いですよ。
直後に水やりはせず、1週間ほど経って土が乾いてから水やりをするようにしてくださいね。
素敵なアレンジをご紹介
器や配置の仕方など、特に初めてアレンジに挑戦する場合、どうしようか迷ってしまいがちですよね。そこで、ぜひ参考にしたい素敵なアレンジの数々をご紹介します。
ミルク缶のような素朴な印象のリメイク缶に、パンクチュラータのイメージがピッタリ。ナチュラルでおしゃれなアレンジですね。
ヴィンテージ感あふれるリメイク缶いっぱいのビアホップ。可愛らしい印象の多肉植物が、かっこいい印象に様変わりしています。
個性的なハオルチアをシンプルに楽しめるアレンジ。無骨な感じの入れ物も味があって良いですね。
ゼブラ柄のような個性的な十二の巻に負けない個性を持った器を合わせれば、テーブルに華を添える素敵なインテリアに。
キラキラと光るガラスを使ったアレンジ。多肉植物が持つ独自のグリーンが、夏らしさや清涼感を与えてくれます。
ボートのような細長い器に、好きな多肉植物を並べて。初心者でもマネしやすく、おしゃれなアレンジです。
小さなスニーカーを使った、とっても可愛いアレンジ♡子ども部屋にもピッタリで、飾ればきっと大喜び♪
身近にあるポットやヴィンテージ缶を使ったナチュラルなアレンジ。素朴な印象がお部屋の雰囲気に合っていて素敵。
シンプルなガラスの器を使って。いろんな角度から見て楽しめますし、夏らしい涼し気な雰囲気を出すこともできますね。
食卓に添えれば、楽しい食事の時間をさらに盛り上げてくれます。
まるでカゴいっぱいのお花のような愛らしいアレンジ。ギフトにも喜ばれそうです。
多肉植物と観葉植物を組み合わせて、フレームに収めているかのようにレイアウト。まるでアート作品のようですね。
暮らしに多肉植物をプラスして、毎日にちょっとした楽しみを♪
暮らしに華を与えてくれたり、育てる楽しみをくれたり。植物がもたらす影響ってけっこう大きいですよね。
育てる場所に困ったり、育てることに苦手意識がある方でも、多肉植物なら挑戦しやすいのではないでしょうか。
生命力が強く、愛らしい多肉植物。生活に取り入れることで、毎日がちょっと変わったものになるかもしれませんよ♪