子どもを競争させない?!個性的な北欧諸国の子育てと、充実した環境と暮らし

北欧流の子育てとは?

北欧諸国の子育てに対する考え方

日本人が持つ子育てに対する考え方といえば、お友達との違いや、協調性を気にしがちですよね。では、北欧諸国は子育てに対して、どんな考え方を持っているのでしょう?そこには、子どもを最優先する北欧ならではの考え方がありました。

とにかく褒める!

フィンランド人の子育ての基本は、子どもの長所を伸ばしてあげること。子どもが得意なことでも、できるとたくさん褒めます。そうすることで、得意なこと=長所が、どんどん伸びていきます。また、褒められるとモチベーションが上がって、いろんなことに挑戦したくなりますよね。

個性を尊重し、誰かと比べない

競争社会の日本に対して、フィンランドは、競争することを好ましく思わない傾向があります。その傾向はもちろん、子育てにも反映していて、子どもの個性を尊重し、決して他の子どもと比べることはしません。

日本では、子どもをお友達と比べてしまったり、「お姉ちゃん・お兄ちゃんなんだから」などと子どもに言ってしまうこともありますよね。フィンランドには、そういった誰かと比べる風潮がないので、子どもはのびのびと、個性的で自由な発想を持って育つのだそう。

叩くのは絶対に×!

スウェーデンは、世界で最初に子どもへの体罰を禁止する法律を定めた国。イタズラしても、人前で言うことを聞いてくれなくても、親は子どもが理解するまで話し、説明することで、教えたり、解決しようとします。

保育園は「昼間の家庭」

女性と男性の労働力が変わらないスウエーデンは、ほとんどのママたちが仕事を持っています。そんなママたちにとって、安心して預けることができるスウェーデンの保育園はまさに「昼間の家庭」。

また、スウェーデンの保育園の保育する人と子どもとの割合は、原則として1対5。いろんな年齢の子どもたちが一緒に過ごし、北欧諸国ならではの豊かな自然環境との触れ合いを大事にした保育が行われています。近くの森まで散歩に行き、実っている果実やきのこについて実際に触れて食べれるかどうかを教えるなんてことも。

「イクメン」で当たり前!

北欧諸国では、パパ同様にフルタイムの仕事を持つママが多く、家事や育児は分担して行うといった考え方が広く浸透しています。また、パパも育児に参加しやすい環境が整っているので、北欧諸国のパパたちは、イクメンであることが割とふつう。育児休暇中のパパが赤ちゃんとお出かけする姿が見られるのは、日常茶飯事なのだそうですよ。

北欧諸国の充実した子育て支援や制度

充実した保育施設に、イクメンが当たり前な北欧諸国。一体、どんな子育て環境が整っているのか気になりませんか?そこで、北欧諸国の充実した子育て支援や制度についてご紹介します。

妊娠・出産~子どもの健康や教育に関する費用がかからない

北欧諸国では、妊娠・出産にかかる費用だけでなく、生まれてきた子どもの教育費や医療費、さらには大学の授業料まで全部無料なんです!教育で必要な文房具などもすべて無料。なんとも羨ましい制度ですよね。

育児休暇はパパが取得するのもごく普通

ノルウェーやスウェーデンには「パパ・クウォータ制度」という、育児休暇に関する制度があります。

どういった制度かというと、ノルウェーの場合、最長54週間の育児休暇のうちの6週間は父親しか取得できず、取得しないと、6週間分の育児休暇が消滅してしまいます。この制度のかいあって、現在では約9割の父親たちが育児休暇を取得しているそうです。

フィンランドの「ネウボラ」と「育児パッケージ」

・「ネウボラ」

「ネウボラ(neuvola)」は、フィンランド語で「アドバイスの場(neuvo)」という意味。ネウボラとは、妊娠~子どもの就学までの支援と家族へのサポートを目的とした、フィンランドの各自治体で行われている子育て支援の1つです。

フィンランドでは、妊娠の兆候が見られるとまず足を運ぶのは、産院ではなく、ネウボラ検診なんですって。

ちなみにこの検診、妊娠中に6~11回無料で受けることができます。出産後も、保健師や助産師である同じ担当者が定期的に面談を行い、育児や家庭内のあらゆる相談に丁寧で適切なアドバイスをしてくれます。

この面談は子どもが小学校に上がるまで行われ、妊娠や子育てをめぐった問題やトラブルを未然に防いだり、早い段階で見つけ、支援する動きに役立てられています。また、最近では、父親が積極的に育児に関わることや、両親の精神的な面でのサポートに、大きな役割を果たしているのだそうですよ。

・「育児パッケージ」


出典:FINNISHBABYBOX

ネウボラや医療機関で検診を受けた妊婦が出産した際に、KELA(フィンランド社会保険庁事務所)から手当として、1子につき170ユーロの現金もしくは「育児パッケージ」のどちらかを選ぶことができますが、ほとんどの家庭がこの「育児パッケージ」を選ぶのだそうですよ。

実際にどういうものかというと、赤ちゃんのベッドとしても使える箱の中に、赤ちゃんの洋服やケア用品、ママが赤ちゃんのお世話に必要なものなど、計50点ほど入っています。

ちなみに、箱をベッドとしてすぐに使えるよう、マットレスや羽毛布団、シーツ類まで入っているそうですよ!

日本にも広がるネウボラや育児パッケージ

日本は2016年に母子健康法を改正し、2017年から、情報を共有して連携を高めるための子育て世代包括支援センターとして、ネウボラの概念を取り入れた施設の設置を、自治体の努力義務としました。

東京都文京区では、2015年度に「日本版ネウボラ」とも言われる子育て世代包括支援センターを設置。妊娠や子育ての不安を抱える妊婦さんとの面談を目的とした「ネウボラ面接」や、面接を終えた後、赤ちゃん用の肌着などが入った育児パッケージを贈っています。

また、育児に強い不安を持つ母親に対し、助産師たちが育児指導を行うショートステイなども実施しています。こうした子育て世代包括支援センターは、全国525市区町村で計1106カ所(2017年4月時点)。各自治体によって、様々な取り組みがされています。

北欧ならではの子育て支援「森のようちえん」

みなさん「森のようちえん」をご存知ですか?「森のようちえん」は、1日のうちのほとんどを森の中で過ごすといった、1950半ばに生まれたデンマークの幼稚園の形態の1つ。子どもたちは「森のようちえん」でどんな風に過ごしているのでしょうか?

天候に関係なく外で過ごす

森のようちえんでは、雨の日や雪の日でも外で過ごします。子どもにとって、雨や雪は時に遊び道具になるくらい好きなもの。

また、天候や自然に触れ、体感することで、豊かな発想力を鍛えたり、丈夫な体づくりをする目的もあるようです。とはいえ、吹雪や大雪の日は外で遊ぶわけにいきませんよね。

そんな時は、建物の中で焚火を囲んで遊んでいるそうですよ。

子供たちは好きなことをして過ごす

森の幼稚園には決まったカリキュラムがありません。

子どもたちが、各自思い思いに好きなことをして1日を過ごすことで、自主性を育みます。

また、先生たちは、子ども同士の問題が起きたとしても間に入ることはなく、あくまでも見守り役に徹することで、子どもが多様性に順応したり、自立する心を育てているのだそう。

自然を通して五感を鍛える

畑を作って食物の栽培・収穫をしたり、木など自然の中のものを使って楽器やアート作品を作ったり。森のようちえんには、子どもたちの五感を刺激するものがたくさん用意されています。

「森のようちえん」は日本にも


出典:森のようちえん

なんと、「森のようちえん」は日本にもあるんです!もしかすると、身近にあるかもしれませんよ。興味のある方はぜひ、のぞいてみてくださいね。

http://morinoyouchien.org/

北欧諸国の教育事情について

北欧諸国ではどんな教育をしているの?

休みが長い北欧諸国の学校。なのに、子どもの学力はとっても高いのだそう!そこで、気になる北欧の教育事情について調べてみました。

先生のスキルやステイタスが高い

フィンランドでは、先生はステイタスが高い職業。また、先生たちはみんな大学院卒なので、スキルだって高いんです。とはいえ、授業をするのは1日4時間くらい。

勤務時間の長い日本の先生たちと比べると、とっても短いですよね!

先生と生徒との距離が近い

フィンランドのクラスは少人数制で、1クラスあたり、だいたい25人以下。先生と生徒との距離が近く、どの子どもたちもレベルの高い授業が受けられます。また、義務教育は7歳からの9年間。6年間はずっと同じ先生が担任し、後の3年間は科目専門の先生たちが授業を行うのだそう。

義務教育が始まる前に1年間プレスクールに通う

学校やデイケアセンターなどに入学前の子どもを1年間プレスクールに通わせて、入学するための準備をします。

塾がない

フィンランドやスウェーデンには塾がありません。正確に言うと、必要ないのかもしれません。学校に通う生徒達には、学校=学ぶ場所という概念があり、みんな真剣に授業に取り組みます。また、なんらかの理由で勉強が不足している生徒のために、クラスの先生以外に補習授業をしてくれる別の先生もいるのだそう。

子どもたちに競争させない

子どもの個性を大切に考える北欧諸国では、教育面でも競争させることを好まない傾向にあるようです。ちなみに、スウェーデンの学校では、子どもたちが競争しないように、成績表は小学校6年生からしか配布されないのだそう。

留年は恥ずかしいことじゃない

義務教育の9年が終わった時点で、勉強が不足しているようなら1年留年します。卒業後、職業学校に通うのであれば2年生からスタートできますし、高校に通う場合は、単位制なので、単位の取り方次第では2年で卒業することもできるんです。

また、高校においても、4年で卒業することだって当然のことのようにあります。日本が持つ留年のイメージとは全く違いますよね。

たくさん本を読む

日本でも、本を読むことは教育の一環として積極的に行われていますよね。たくさん本を読むことで、語彙力や読解力が上がるなど、子どもに良い影響があるんです。フィンランドの子どもたちは、たくさん本を読む習慣があり、趣味とする子どもも多いんです。

子どもたちが本と触れ合える環境も整っていて、国民1人当たりの図書館の数は、なんと日本の7倍もあるんですよ。

どうして充実した子育て支援が受けられる?

北欧諸国は消費税が高い!

子育て支援だけでなく、医療や福祉サービスなども充実している北欧諸国は、消費税が高いことでも有名。

充実したサービスを受け、国民同士が支え合うためには、必然的に大きな負担がかかる、といった高福祉・高負担の考え方を持っています。どのくらい消費税が高いのか、北欧各国の消費税事情をご紹介します。

フィンランドの消費税は24%!

基本的な消費税は24%ですが、一部の物やサービスのみ税率を下げる「軽減税率」が実施されていて、食料品や医薬品、公共交通機関の利用など、一部税率が下がる物やサービスがあるようです。

スウェーデンの消費税は25%!

基本的な消費税は25%ですが、スウェーデンでも軽減税率を実施しているので、食料品や書籍・スポーツ観戦など、一部の物やサービスの税率が下がります。

ノルウェーの消費税は25%!

基本的な消費税は25%ですが、ノルウェーもまた軽減税率を実施している国なので、生活必需品や公共交通機関の利用など、一部税率が下がる物やサービスもあります。

デンマークの消費税は25%!

消費税25%、しかも軽減税率はありません。高い!

税金が高く、幸福度も高い?!その理由とは

国連が156か国を対象に幸福度を調査し、発表する「世界幸福度報告書」。世界幸福度ランキングとも言われ、大変注目度の高い報告書です。

最新の世界幸福度報告書2018では、1位 フィンランド、2位 ノルウェー、3位 デンマークと、なんと北欧諸国がトップ3を独占しているんです!

また、今回の報告書では、移民が感じる幸福度も発表され、1位 フィンランド、2位 デンマーク、3位 ノルウェーと、ここでもトップ3を独占するという驚きの結果に。

北欧諸国が上位を占める理由

国連がどうやって幸福度を測っているのかというと、国民1人あたりの国内総生産(GDP)・健康寿命・社会支援・社会の自由や寛容さ・社会の信頼度などをもとに毎年調査、発表しています。

国連によると、フィンランドの最も良いところは、フィンランドの人々は暗くて厳しい寒さの冬に負けず乗り越え、自然や教育環境が良く、安全で、充実した福祉が無料で受けられるところ。

それは、他の北欧の国々にもにも当てはまることで、北欧諸国が上位を占める理由なのでしょうね。

北欧諸国は、パパだけでなく国全体が子育てに積極的!

消費税は日本のおよそ3倍もある北欧諸国ですが、それを跳ね返すくらいの子育て環境をはじめとした福祉の充実が、幸福度の高さに表れているのでしょうね。子どもと一緒に外出すると、肩身の狭い思いをすることが多い日本。

私も何度か経験しています。でも、時に助けられることだってあります!ベビーカーを一緒に運んでくれた大学生の男の子、優しく話しかけてくれたおばあちゃん。

それに、子育てを支援する日本の制度や施設。個人的には、日本も捨てたもんじゃないなぁと感じています。これから、日本全体がどんどん子育てに積極的になっていくと良いですよね。