日本と海外で違う「添い寝」事情
入院中はちゃんと赤ちゃんの寝る場所が別に設けられていたと思いますが、自分の家の中ではどうしたらいいのでしょうか。いざ自分がママの立場になると、特に気にしなかったことが次々気になりだすもの。生まれたばかりの赤ちゃんを大人の隣に寝かせてもいいの? 潰れちゃいそう!と気が気でないママも多いはず。
文化や住居の違いから、日本では添い寝が主流
文化の違い
海外では、赤ちゃんであっても生まれてすぐに子供部屋を与えます。そのころからベッドで1人で寝るのが常識と言います。それによって子供の自主性を育めると考えているようですね。
しかし、日本は古くから畳の文化でした。家族全員で川の字になって寝るのが普通だったと思います。その中には赤ちゃんも含まれていたことでしょう。欧米と違って日本では「添い寝」文化が定着しています。
住宅の問題
現在の日本では、主に住宅環境のために赤ちゃんとの添い寝をするおうちが少なくありません。実際、ベビーベッドを買おうにも置く場所がない、という声はよく聞きます。まして小さなころから1人に1つの子供部屋は用意できないご家庭も多いようですね。
赤ちゃんの添い寝はいつから始めたらいい?
「添い寝」はいつから始めて大丈夫?
これには明確に「いつから」という指針はありませんが、少なくとも生後3ヶ月以内は別に寝た方がいいと言われています。これは「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策です。生後12ヶ月未満の赤ちゃんが主に睡眠中に死亡した場合、SIDSの疑いがあります。これを防ぐために、赤ちゃんは個別にベビーベッドで寝かした方がいいとも言われています。
また、SIDSの7割がママとの添い寝によるものであるという結果も出ていますが、正確な原因は分かっていません。
▼「厚生労働省による乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン(第2版)」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/sids_guideline.pdf
布団で添い寝する場合
布団での添い寝なら生後1か月を過ぎたくらいから可能です。布団は沈み込みが少ないので、ベッドに比べたら早く添い寝が開始できます。しかし注意すべきポイントは守ってくださいね。
並び順には気を付けて
家族で川の字になって寝ている場合は、赤ちゃんを一番端に寝かせてあげるようにしましょう。他の家族の寝返りで下敷きになってしまったら大変ですからね!その際にも、うつぶせ寝にならないように注意が必要です。
周囲にモノを置かないように
夜中の授乳やトイレで立ち上がった時、周囲のモノに脚を取られて転倒し、赤ちゃんを潰したりすることのないように、布団の周りには何も置かないように気を配りましょう。
ベッドで添い寝する場合
ベッドでの添い寝は布団よりも注意点が多くあります。リスクも正しく理解して起きましょうね!
ベッドマットの固さに注意!
ベッドの場合、マットを使用して寝ますよね。このため、体を横たえたり寝返りを打つと振動が体に伝わります。まだ首の据わっていない新生児期は、身体が沈んで気道を塞ぐ可能性があるため、最低でも生後3~5ヶ月たってからにしましょう。
赤ちゃんの転落対策が必要
たとえ低いベッドとはいえ、落ちると大人でも痛いものです。赤ちゃんならなおさらですし、頭蓋骨陥没骨折などの危険性があります。生後6カ月を過ぎ、寝返りを打てるようになった赤ちゃんには必ずベッドから落ちないような工夫をしてください。
例えばベッドを壁に引っ付けて、そちら側に赤ちゃんを寝かせるようにすれば、転落の危険は少なくなります。
ベッドガードの取り付けは生後18ヶ月から!
大人用のベッドにベッドにガードを設置しようと考えているママも多いと思いますが、ベッドガードは生後18ヶ月からが認定基準となっています。それ以下の年齢で使うのは自己責任!と必ず覚えておきましょう。
国内でもベッドガードとベッドマットの間に挟まれて死亡した例が多数でていますので、赤ちゃんの年齢などを考えて購入するようにしてくださいね。
▼「幼児用ベッドガードの認定基準お呼び基準確認方法」:ベッドガードの安全基準について
www.sg-mark.org/KIJUN/S0136-00.pdf
▼「日本小児科学会」:ベッドガード使用時の窒息の事例
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/injuryalert/0070.pdf
添い寝のメリット・デメリットを知っておこう
添い寝のメリット
ママのすぐ隣なので赤ちゃんが安らげる
すぐ隣にママの体温を感じられるというのは、赤ちゃんにとってなによりの安心材料になります。寝かしつけも、同じ目線で横になって、ママの鼓動を感じ、ママの吐息を感じながら寝られるんです。最高のスキンシップですよね。
すぐに添い乳ができるから夜中も楽
母乳育児のママなら、わざわざベッドから起き出して、赤ちゃんを抱っこし直し、授乳をする、という煩わしい手順が省けます。これだけでも睡眠時間が変わってくるので、産後のママにとってはありがたいです。
赤ちゃんの体温調節などがこまめに出来る
赤ちゃんの夜泣きの原因はたくさんあるんですが、そのひとつに布団の「暑さ」「寒さ」もあるそうです。汗をかきすぎると却って寝冷えの原因になったりもしますよね。そういったこまめな体温調節が、隣にいると簡単に出来ます。
添い寝のデメリット
一方で、海外の多くの国では添い寝を禁止しているところが多いのが実情。理由を詳しく見ていきましょう。
ママの寝返りで赤ちゃんを押しつぶしてしまうかも
赤ちゃんのお世話で毎日疲れているママ。寝ている間に赤ちゃんを押しつぶしてしまっても気付かないかも…。そんな不安があるのはよく分かります!こういう場合は、長い抱き枕などでガードしてママの身体が寝返りをしないよう、固定してあげましょう。
大人用の毛布が赤ちゃんを圧迫するかもしれない
大人用には普通の重さでも、生まれたばかりの赤ちゃんには重たいもの。それが顔に掛かったりしたら窒息の危険性が高まります。また熱がこもって寝苦しく、夜泣きの原因にもなります。赤ちゃんの顔の周りには、あまりモノを置かないようにしましょう。そして、赤ちゃんには赤ちゃん用の布団セットを必ず用意してあげましょう!
子どもの自主性が育たない?
海外では子供の自主性を育てるために、赤ちゃんは生後すぐに別室で寝かせることが多いそうです。でも文化も風習も異なりますので、添い寝をしたからといって日本の赤ちゃんに自主性が育たないわけではないですよね。
ベビーグッズをフル活用! 便利な添い寝グッズを紹介
いろいろメリット・デメリットのある「添い寝」。でも、注意点を細かくおさえておけば、安全快適に過ごせ、産後のママの体力回復にも役立ちます。そんなときに、あると便利な添い寝グッズをいくつか紹介しますね!
添い寝用のベビーベッド
ベビーベッドと言えばかなり大きなものを想像していると思いますが、添い寝専用の小さなベビーベッドも多数開発されています。生後間もない頃はこういうベッドを利用すると、赤ちゃんも身体が沈みこまず、ママが覆いかぶさる心配もないから安心ですね。
Arm’s Reach 添い寝用ユニット
キャスター付きで移動も楽ですし、ママのベッドに固定することも可能です。片側だけ柵を下ろせば、手の届く距離に赤ちゃんを置いて眠ることが出来ますよ。
ママの身体を固定してくれる抱き枕
ママが寝返りを打って赤ちゃんに覆いかぶさなないように、抱き枕でガードしようというもの。妊娠中から使えるし、産後は授乳用クッションとしても活躍しますよ。
授乳クッションにもなる抱き枕
赤ちゃん用にも、ママ用にも使える優れものです。
楽天市場
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家が狭くても使える!ベッドインベッド
どれほどコンパクトでも、やっぱりベビーベッドを置くスペースはない、というママにはこちらがおススメ。ベッドの上で使用するタイプの「ベッドインベッド」。持ち運びもできるので、帰省や旅行にも持ち運びできるので嬉しい!
farska「BED IN BED Flex」
新生児の身体をサポートできるうえ、成長したら椅子などにも使える優れものです!洗濯も可能ですし、肌に触れる素材はすべて日本の安全基準を満たしています。
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まとめ
日本では多くの家庭で添い寝をしています。不安ならば無理はしなくてもいいですが、ポイントを押さえておこなえば親子のいいスキンシップにもなるんです。上手にベビーグッズも活用していけばママの心強い味方になってくれますよ!もちろん付近に高い家具やおもちゃを散乱させたりしないよう、環境づくりは必要です。赤ちゃんだけでなく、毎日お疲れのママもゆっくり眠れる環境を考えていきましょうね。