子どもに一度は読み聞かせたい!林明子さんの絵本の世界

絵本の存在って何だろう……

突然ですが、みなさんは絵本が好きですか?答えは「YES!」の人が多いと思います。

子どもの頃は、理屈や根拠なしで単純に絵本が好きだったと思います。図書館でも子どもたちはやっぱり絵本コーナーに集まっていました。

では、大人になった今でも絵本が好きな理由ってなんでしょう。童心に返るから?絵本の絵が好きだから?理由はさまざまだと思いますが、ひとつ言えるのは絵本が心を揺さぶっているからではないでしょうか。

人間味溢れる気持ちにさせてくれるのが絵本の存在だと思います。とくに幼い子への影響は大きいことでしょう。

子どもに伝えているのは物語りだけではないんです

絵本と聞いて思い出すのは、必ずしも絵本のタイトルや物語りだけではなく風景だったりしませんか?

お父さんやお母さんの膝の上で読んでもらった思い出だったり、夏だったり冬だったり、一見すると関係のないことが思い浮かぶんですよね。

とくに1歳や2歳の子は小さな世界で過ごしていて、外部とのふれあいって少ないと思います。絵本を読んで聞かせることで、ことばを覚えたり質感や形や色などを知ります。絵本を通じてまだ知らない世界の体験だってします。

子どもの視野や感性を広げることができる絵本の時間は、親子の思い出の時間でもあるんです。

立場が変わると絵本の解釈も変わる?

親になって子どもへ読んで聞かせる側に立つと、また違った角度で絵本をみることができます。子ども目線でしか知り得なかった気持ちと、親目線になって共感できる気持ち

例えば後の方でご紹介する林明子さんの「お出かけのまえに」では、とくに親目線で共感する部分が多くみられます。あえて言葉もなく顔の表情も描かれていませんが、雰囲気だけで伝わってくる楽しさというのも、絵本の醍醐味です。

子育てあるあるネタが多いと読み聞かせする方も違った角度で楽しめますね。

デジタル化されにくい絵本

電子絵本がないわけではないんです。ではなぜ今ひとつ普及しない、デジタル化が進まないのでしょうか。

やはり絵本は「本」というカテゴリーから外れているのだと思います。小説や漫画は内容が伴っていればデジタル版でもいいけれど、絵本は代わりが効かない。

絵本の表紙や紙質、触った感じの存在そのものが「絵本」なのでデジタル化に向かないのだと思います。

40年以上に渡って語り継がれる絵本作家、林明子さんの絵の魅力

林明子さんってどんな人?

林明子さんは、1945年東京都生まれの絵本作家です。1967年に大学を卒業、もともとイラストレーターとしてお仕事をされていました。雑誌の挿絵イラストなどを多く手がけていく中で、イラストの基礎や技術が磨かれていきました。

そして1973年にはじめての絵本「かみひこうき」を出版され、1976年には代表作とも言える絵本が誕生します。筒井頼子さんとの共作「はじめてのおつかい」です。筒井頼子さんとは他にも数々の絵本を共作されています。

有名な作品はこの他にも。講談社出版文化賞を受賞した「こんとあき」は林明子さんの単著作品です。みなさんの中でも読まれたかたは多いのではないでしょうか。

世界で愛され続ける林明子の絵本

初めてのキャンプ

「はじめてのキャンプ」は1984年にフランスの絵本賞“LE GRAND PRIX DES TREIZE”を受賞した作品です。

翻訳されてフランスでは「Le premier camping de Nahotchan」のタイトルで出版されています。私はフランス語のなほちゃんという単語しか読み取れなかった〜みなさんは読めますか?フランス語は難しいですね!

個人的に「はじめてのキャンプ」は児童書よりの絵本かなと思います。ページ数も100ページほどあり、ボリュームが感じられますが、林明子さんの柔らかい絵とシンプルなことばであっという間に読めちゃいます。

設定もこどもに分かりやすく、小さな女の子がキャンプへ行き大きいお友達や自然の中で成長していくお話です。林明子さんのやさしいタッチの描き方は34年前から変わらないんですね。

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こんとあき

「こんとあき」もまた世界で愛読されている絵本です。

2015年に前駐日米国大使のキャロライン・ケネディさんがお気に入りの絵本としてYouTubeで紹介したのも「こんとあき」です。

キャロライン・ケネディさんの娘さんが4歳のときに、お祖母さんが誕生日プレゼントとして贈ったそうです。「こんとあき」でも祖母と孫のあったかい場面が印象的です。

林明子さんの絵本が、いかに多くの人に読まれているのかが分かりますね。

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年齢別に楽しめる作品がいっぱい

林明子さんは数多くの絵本を手がけられています。0歳から小学生まで楽しめる絵本がたくさんありますので、ご紹介したいと思います。

でてこいでてこい(0才〜)

0歳から読んで聞かせることができる「でてこいでてこい」。一見すると林明子さんの作風には見えないのですが、切り絵と色のバランスがとてもいいです。

「げこげこげこ」など反復する言葉も多く、はじめて読んで聞かせる赤ちゃん向けの一冊としておすすめです。

また、厚紙仕立てで、サイズもコンパクトです。2歳くらいのお子さんがひとりで読み始める絵本としても適していると思います。

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はじめてのおつかい(3才〜)

「はじめてのおつかい」はオリジナルグッズも出るほど人気がある絵本です。

物語というより日常の一コマが絵本になっているという感じですよね。5歳の女の子みいちゃんが、近所のお店におつかいに行くというお話なのですが、とっても心に残る絵本。

子どもの頃の「はじめて」というのはどんな場面でもドキドキワクワクしますよね。きっとみなさんも経験したことのある感情が蘇る絵本ではないかと思います。

”めがねおじさん”と”太ったおばさん”言葉のチョイスもこどもの目線で楽しいです。見たままを言葉にできるのは子どもならではです。大人は脚色してしまいますもんね!

そして林明子さんの絵は時代を感じさせません。古さを感じさせないのです。きっと10年後読んでも同じではないかと思います。

お菓子やパンが無造作に並んだ感じや、少し薄暗い店内の様子など、わたしの思い出の中にも同じような店があります。みなさんの中にもありませんか?林明子さんの細部にまで凝った絵はこどもにも見せたくなりますね

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いもうとのにゅういん(3才〜)

兄弟姉妹のお子さんがいるご家庭では共感する部分も多いのではないでしょうか?ある日、妹の入院によりお姉ちゃんのあさえちゃんは、はじめてママと妹のいない夜を過ごすことになります

次の日には会えるのですが子どもにとっては長く不安な時間です。突然の出来事で深刻な空気になると子どもって敏感に察知するんですよね。いつもはわがまま放題で言いたいことを言っていても、まわりの状況に応じてちゃんと空気を読む。

あさえちゃんも同じで、必要以上にママやパパにたずねたりしない姿が印象的です。そして、あさえちゃんなりに考えます。妹のあやちゃんが喜ぶことは何かを……。あさえちゃんが本当の意味でお姉ちゃんになる瞬間が胸にジーンときます。

また、「いもうとのにゅういん」に出てくるほっぺこちゃんの存在も大きいです。女の子だったら遊んだ記憶も多いと思います。

ぽぽちゃん・ちいぽぽちゃん・メルちゃん・ネネちゃん、ママ世代が実際に遊んだ人形の懐かしさを感じながらお子さんに読んであげられる絵本って良いですよね。

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とんことり(4才〜)

「とんことり」が何をさしているのか、聞いたこともない言葉ですよね?読んだらなるほど!納得しますが、想像が追いつかない展開のお話しで、子どもと一緒にワクワクドキドキしながら読み進めていくことができるでしょう。

ともだちになる瞬間のドギマギした感情を思い出させてくれる作品です。そして、林明子さんの描く女の子かなえちゃんの絵がかわいくて、どこか寂しそうな表情だったり仕草だったりが本当に上手く表現されています。

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きょうはなんのひ(5・6才〜)

お話しは、まみこちゃんの朝の登校シーンからはじまります。「おかあさん、きょうはなんのひだか、しってるの?」まみこちゃんは言い残し学校へ

お母さんはまみこちゃんが残していったメッセージを探し出していきます。メッセージの紙はぜんぶ赤いひもで結ばれていて宝探しのように次のメッセージの当たり場所を見つけなければいけません。

まみこちゃんはなぜこんなことを?メッセージの紙が10枚そろったとき、今日がなんの日かようやく分かります。まみこちゃんのサプライズ作戦は凄いですよー!

私は林明子さんの絵本の中で「きょうはなんのひ」の絵のスタイルが一番好きです。

柔らかく動きのあるタッチで登場人物が今にも動き出しそうです。お母さんやお父さんのやさしい雰囲気が絵に溢れて、リビングやお部屋の模様がとっても素敵な絵本です。

話の流れも推理型で楽しくて、お子さんと一緒に読む絵本に最適ですよ。また、文章も特徴的です。5・6才のお子さんが真似したくなるような言い回しが所どころに出てきます

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なないろ山のひみつ(5・6才〜)

山のふもとに暮らすさちちゃんは近くで暮らすおばあちゃんの家に毎日のように遊びに行きます。

おばあちゃんの影響もあり、さちちゃんはなないろ山でいろんな遊びを覚え、動物たちともふれあう日々を過ごします。

ある日、さちちゃんはなないろ山の様子が変なことに気づき急いでおばあちゃんの家へ行きました。おばあちゃんは苦しそうな姿で動けずにいます

そしておばあちゃんはさちちゃんになないろ山にひみつがあることを告げ、じいさんぎつねに会いにいってくれと頼みます……。

どこか懐かしい気持ちになる創作童話に、林明子さんの挿絵が本当によくマッチしている作品です。自然と共存していく意味をファンタジーを通して子どもに伝えられる。これってとても大切なことだと思います。

昔から悪いことをしたら「お天道さんが見ている」とかよく言われましたよね。嘘かも知れないけど本当かも知れないと、子ども心に思ったものです。

「なないろ山のひみつ」も同じように、嘘かも知れないけれど本当かもしれないわくわくをお子さんに残してくれる絵本だと思います。

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身近な設定から親しみが生まれる

林明子さんの絵本が愛される理由は、設定や人物が身近に存在するリアリティーだと思います。

例えば「はじめてのおつかい」に出てくる“みいちゃん”もどこにでもいる普通の女の子だし、近所へ買い物へ出かけることもなんてことない日常です。悪者も出てきません。

林明子さんの平和な毎日の描写が、子どもにとっては体験になるんですよね。わたしもみいちゃんと同じようにできる!おつかいしてみたい!と思うお子さんも多いはず。

林明子さんの絵本、おすすめランキングベスト3!

たくさんの絵本を世に送り出してきた林明子さん。なかでも、お子さんにぜひ読んでもらいたい絵本があるので紹介したいと思います。

おつきさまこんばんは

「おつきさまこんばんわ」はお子さんのおやすみ前の絵本タイムにぴったりです。暗い背景からお顔をのぞかせるおつきさまの笑顔が素敵です。

でも実際は子どもの心をつかんでいるのは、裏表紙のあっかんべーのおつきさまなんですよね!チャーミングなおつきさま♡

文章もリズム感があり読みやすいので、お子さんにせがまれても何度も読んであげられるでしょう。0歳からの絵本なので、お子さんのファーストブックに最適です。

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こんとあき

林明子さんの絵本の中で外せないのがやっぱり「こんとあき」。先程も紹介しましたが、淡々と進んで行くお話は子どもの感覚をとても大事にされているのが分かります。へんなところも説明などいらないのが絵本の世界。

ぬいぐるみの”こん”と女の子”あきちゃん”の小さな旅でおこるハプニングの数々。ちょっとハラハラしながら、大丈夫かな?と心配になりますが、こんがあきちゃんをいつもそばで守ってくれます。健気な”こん”の姿がいつまでも心に残ります

ぬいぐるみが古くなりぼろぼろになったら捨てたり買い換えたりする。今の時代は珍しくありません。

「こんとあき」の絵本を通して、物を大事にする気持ちや意味が子どもたちに伝わるような気がします。実際に“こん”のぬいぐるみが作られたことも納得ですね。

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おでかけのまえに

家族みんなでピクニックへ行くことが楽しみで仕方がないあやこちゃん。

ピクニックの準備をせっせとしているママやパパのお手伝いをしたいあやこちゃん。そうだお弁当を詰めよう!パパのバックのチャックも閉めよう!

あやこちゃん、手伝ってくれるのは嬉しいけれど……本当に派手にやっちゃってくれます!でも、あやこちゃんのママもパパも怒らないんですよね。諭すような優しい口調で何事もないような対応です。神対応です

私があやこちゃんのママならどうなっていたでしょう。考えただけで反省しないといけないなと思います。だけど、あやこちゃんの迷惑なお手伝いが微笑ましくもあり、思わず笑ってしまうような心あたたまる絵本です。

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林明子さんの絵本をもっと知りたい人におすすめ♡

絵本だけじゃない!林明子さんの魅力が詰まった書籍

林明子さんは絵本作家ですが、絵本だけではなく他にも書籍を出しています。

林明子の絵はがきの本

絵本の中から林明子さん自身が選んだ名場面が絵はがきとして一冊の本になっています。20枚ということで使うのがもったいない気もしますね。

だけどポストに届いたお便りが林明子さんの絵はがきだったら、とっても嬉しいと思います!

ちなみに2016年には林明子さんの絵本の切手も発行されていたんです、ご存じでしたか?絵はがきとセットで使ったら、届いたほうは最高に嬉しいでしょうね♡

みんなが知っている名作♡林明子さんの絵が楽しめるって知ってた?

魔女の宅急便は三人の画家によって描かれたもの

林明子さんのルーツの中に魔女の宅急便があるのをご存じでしょうか?1989年にアニメ映画化され有名になった魔女の宅急便。もともとは角野栄子さんが書いた児童書(原作)です。

林明子さんの描く「キキ」がかわいい♡

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児童書の魔女の宅急便は全部で6巻あります。林明子さんは1巻目の表紙画、挿絵を担当されました。

女の子から少し大人の階段を登っているような表情のキキに見えます。相棒ジジの姿もとってもかわいいですね。

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広野多珂子さんのキキはまたチャーミングな幼さを感じさせますね。

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佐竹美保さんのキキです。もうすっかり16歳の魔女キキに成長していますね。雰囲気も16歳の感じが出ています!

みなさんはどの魔女キキがお好きですか?どれも素敵な絵ですよね。原作の魔女の宅急便ではキキの成長が凄いんです!キキはなんと……。ここから先は実際に読んでご覧くださいね。

世代を超えて伝えていきたい林明子さんの絵本

これからの子どもたちへ伝えていきたい林明子さんの絵本、みなさんの絵本選びの参考になったでしょうか?

わが子に絵本を読んであげられるのも短い間です。短い時間の中で絵本を通じて、より多くの世界を経験し、素直な子どもらしい心が育まれていくのが絵本の良さだと思います。

林明子さんの絵本にはいつもやさしさが溢れています。きっとこの先お子さまの思い出に残る大切な1冊になることでしょう

福音館書店

林明子さんの絵本は、こちらからご覧いただけます。