ウールってなに?
ウールの洋服は秋冬に大活躍!モコモコっとした風合いで優しい印象を与えてくれる見た目だけでなく、保温性バッチリで冬の寒さから守ってくれるウール。そんなウールについて少しご紹介します。
ウールの素材について
ウールとは一般的に羊の毛のこと。毛質の違いから普段使いから高級なブランドまで幅広く使われています。
ウールの魅力
冬は暖かくて夏は涼しい
ウールといえば冬だけに大活躍の印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実はウールの機能性は素晴らしく「保温性」「吸湿性」「放湿性」に優れています。また、熱伝導率が低いという特徴から外気の影響を受けにくい特徴があるんです。以上のような特徴から冬は暖かく、夏は涼しいという洋服をウール素材はつくることができています。
撥水性がある
みなさんはウールの洋服を着たときに雨や雪で濡れたという経験はありますか?その時のことを思い出してみると、パッと手で払うと水滴として流れ落ちてくれますよね。これはウールの撥水性のおかげなんです。少々の雨でも濡れにくく汚れにくいという嬉しいポイントですよね。
ウールは洗濯できないの?
ウールの洗濯をして縮んだという経験がある人も多いと思います。私もその一人で、お気に入りのセーターがサイズが一回り以上縮んで、「子供用のセーター?」と思うほどでした。
ウールの洋服は自宅では洗えないと頭に擦り込まれて毎回クリーニングに出しているという人もいるのではないでしょうか。
実は、ウールの洋服もポイントをおさえていれば自宅で洗濯ができるんです。ウールを洗濯すると縮む理由と一緒に自宅で洗濯するときのポイントをまとめていきます。
ウールが縮むわけ
こすれ
ウールの洋服をきて、斜めがけのショルダーバックやリュックの肩紐が当たる部分だけが、毛玉ができたように洋服が傷んでしまった経験はありませんか?ウールは擦れるとフェルトのように固まって縮んでしまいます。なので洗濯でゴシゴシと擦ってしまうとフェルトのように縮んでしまうんです。
水
ウールの表面は「スケール」といって人間の髪の毛のキューティクルと同じようにうろこ状になっています。髪の毛をぬらすとキューティクルが開くように、ウールも水にぬれるとスケールがひらきます。スケールがひらいた状態で強い力が加わると、繊維同士が絡まり、その状態でスケールが閉じるとフェルトのように縮んでしまいます。
熱
ウールは羊の毛なので、羊の体温39度くらいが一番良い状態を保つことができます。もし乾燥機などで高温状態のなかでグルグルと洋服同士が絡まって擦れてしまうと、ウール表面のスケールが逆立ち、絡まり縮んでしまいます。
ウール洗濯のポイントをおさえよう
ウールの縮む原因が分かったので、この「こすれ」「水」「熱」に気をつければ自宅でも洗濯ができるんですよ。これから詳しく説明していきます。
ウールを洗濯する前に確認
デリケートなウールを長持ちさせるために、頻繁に洗濯するのは良くないですが、汚れをずっと放置してシミや臭いの原因になるのは避けたいところ。洗濯の適切な頻度や注意点など洗濯する前に知っておきたいポイントをご紹介。
ウールを洗濯する頻度
ウールのセーターなどは、素肌に直接着るというよりもシャツやインナーの上から着る人が多いと思います。この場合、汗などの皮脂汚れは気にならないと思うので、毎回洗う必要はありません。頻繁な洗濯は毛玉や傷みの原因になります。
洋服の着る頻度にもよりますが、目安として1ヶ月に1回くらい、最低でもシーズン中に1回は洗濯するのがオススメ。ただし、汚れやタバコなどの臭いがついたときには早めに洗濯をしましょう。
洗濯表示マークをチェック!
洗濯をする前に洋服についているタグをチェック!水洗い不可のマークがついていたら洗濯できませんでクリーニングにお願いしましょう。水洗い可のマークがついていても、洗濯機を使えるか、手洗いのみかどうかもしっかり確認してください。
色落ちしないかの事前確認
色柄のついた洋服は事前に色落ちしないかの確認をしておきましょう。方法は白にタオルに洗浄液をつけて、洋服の目立たない場所をトントンと軽くたたきます。白いタオルに色がついたら、色落ちしやすい洋服なので自分で洗濯はせずにクリーニングにお願いしましょう。
シミや汚れは事前にひと手間
洗濯する前に洋服をチェックして、汚れやシミがないかを確認してください。もし汚れやシミがあった場合は、事前に汚れ・シミがある場所に洗浄液を直接つけて軽くもみあらいをしてから洗濯に進みましょう。
ウールを洗濯する手順と方法
手洗いの場合と洗濯機での洗濯についてご紹介します。
手洗いの場合
洗濯表示に手のマークがついてるときには洗濯機でなく、手洗いをしましょう。
準備するもの
- おしゃれ着用の中性洗剤(エマールやアクロンなど)
- 洗濯用柔軟剤(レノアなど)
- 洗濯ネット
- 必要であれば洗面器
ウールを洗う手順
1.洗浄液を準備
洗面器かシンクにぬるま湯(30度以下)をはり、水量に合わせて指定の量のおしゃれ着用洗剤を入れて軽く混ぜてとかす。このとき、30度以上のお湯だと縮みの原因になるので注意!冷たすぎる水だと洗剤が溶けにくく汚れが落ちにくくなるのでぬるま湯で。
2.押し洗い
汚れやすい襟、袖、肘の部分が外側にくるように丁寧に畳んだ洋服をネットにいれ、準備した洗浄液に優しく沈ませ20~30回ほど押し洗いします。このとき、ゴシゴシこすったり、もみ洗いすると傷みや縮みの原因になるので、注意!
3.すすぎ
洗浄液を捨てて、洋服は畳んだままの状態で手のひらででかるくおして絞ります。そして新しいぬるま湯を入れ替えながら泡がでなくなるまで2~3回すすぎましょう。
4.軽く脱水
洋服はネットに入れたままの状態で洗濯機で10秒ほど脱水。
5.柔軟剤でふんわり仕上げ
シンクか洗面器に再びぬるま湯をはり、少量の柔軟剤を入れ混ぜて溶かします。そこに脱水した洋服を入れ軽く押して柔軟剤をなじませましょう。
6.しっかり脱水
柔軟剤は洗い流さず軽く手のひらでおさえ、洗濯機で1分ほど脱水。
洗濯機の場合
ウールは手洗いがオススメですが、洗濯機のドライコースでも洗濯ができます。時間がない、手洗いはちょっと面倒というかたは洗濯機洗いのポイントをおさえておきましょう。
準備するもの
- おしゃれ着用の中性洗剤(エマールやアクロンなど)
- 洗濯用柔軟剤(レノアなど)
- 洗濯ネット
手順
1.洗濯ネットに洋服をいれる
この時に襟、袖、前身ごろ、肘など汚れやすい部分を外側にくるように畳んでおくと汚れが落ちやすいですね。
2.ドライコースですべておまかせ
指定の量の中性洗剤と柔軟剤をいれ、あとは洗濯機におまかせ!
干し方のコツ
洗濯が終わったら次は干し方のポイントです。ここで普段どおりにハンガーなどで干してしまうと、水分の重みで伸びたり型崩れの原因になります。伸びてしまった洋服を元に戻すのは大変!干し方の大事なポイントを2つあるので覚えておきましょう。
必ず陰干し
太陽光による黄ばみや色あせを防ぐために、必ず日陰に干しましょう!
洋服が垂れ下がらないように平干し
大切な洋服が型崩れしないように、干し方を工夫をして形をキープしましょう。平干し台という専用のグッズがありますが、そんなもの我が家にはないよ~という方がほどんどだと思います。そんな時にはピンチハンガーの上に干したり、浴槽のフタでも代用できますよ。平干し用のネットもあるので探してみてはいかがでしょうか。
もし、縮んでしまったら?
気をつけて洗濯したのに、縮んでしまった~!そんな時の対処法を最後にご紹介します。
ヘア用のトリートメントで対処!
ウールは羊の毛でしたよね。人間の髪の毛と構造が似ています。傷んでしまった髪の毛に潤いを与えてキューティクルを整えてくれるヘア用トリートメント。そのトリートメントはウールの繊維もコーティングしてくれ滑りをよくして繊維を伸びやすくしてくれる嬉しい効果があります。
それでは、ヘア用のトリートメントを使って縮んでしまったウールを戻す方法をご紹介。
手順
- シンクか洗面器に30度以下のぬるま湯をはり、少量のトリートメントを溶かしておく。
- 縮んだニットをトリートメントを溶かしたぬるま湯につけて、縮んだ部位を優しく少しずつ引っ張り伸ばす。
- きれいにのばしたら、そのまま30分ほどつけておく
- 30分後に取り出し、手のひらで軽くおさえるようにして絞る
- 大きめのタオルを準備してタオルではさむようにして、しっかり水分を取り除く
- 日陰で平干し
ウールの洗濯をマスターしてコーディネートを楽しもう
いかがでしたか?冬場に大活躍のウール。見た目も着心地も機能性も言うことなしだけど、ちょっとお手入れが面倒だと思っていたウール。実は洗濯NGではなく、自宅で洗濯ができるということが分かりましたね。汚れるのがイヤだから着るのを控えるのではなくお気に入りのウールの洋服コーデを思いっきり楽しみましょう。
そして、今回ご紹介したウール洗濯のポイントをおさえて定期的に自分で洗濯してみましょう。自分ののペースに合ったお手入れ方法でおしゃれをどんどん楽しみましょう。