基本的な梅シロップ作りの材料と道具
材料の準備
材料はいたってシンプルです。簡単に言ってしまえば「梅と同量の砂糖を入れる」ということ。甘さを控えめにしたい場合は少しだけ少なめでもいいでしょう。
- 青梅 1kg
- 氷砂糖 800g~1kg
- 蓋がきちんと閉まる、広口で大きめの瓶(4Lサイズがおススメです)
瓶の熱湯消毒の方法
▼目にも鮮やかな梅を大きな瓶に詰め込んで作っていきます!
早速梅を漬け込みましょう!
…と意気込むその前に、必ず忘れてはいけない準備があります。それは「瓶」の準備。ただ準備すればいいというわけではありません。1週間以上の長い期間を漬け込むものですので、洗い方が不十分だったり、保管方法が悪いと中にカビが生えたりすることもあるんです。
面倒に思うかもしれませんが、熱湯で消毒し、天日で干すようにしましょうね。
▼意外と見落としがちな「瓶の消毒」。早めに準備しておきましょう。
瓶に熱湯を注ぎこむと割れることもあります。先にぬるめのお湯に漬け込んで、瓶を温め、それから熱湯を少量注ぐといいですよ。瓶を少し傾けて、回し洗うようにお湯を行き渡らせましょう。その際にはやけどに注意してくださいね!
そのあと、きれいな布巾で水気を拭き取ります。これを天日に干して完全に乾燥させてください。
焼酎を使った瓶の消毒方法
熱湯が怖い場合、焼酎やホワイトリカーで瓶をアルコール消毒するという手もあります。この場合、消毒に使ったお酒は使えませんので捨ててください。熱湯と同じように瓶の中で回し、まんべんなく行き渡らせましょう。
▼焼酎などを使ってアルコール消毒するという手段もあります。
梅と氷砂糖の準備
氷砂糖を使う理由は?
▼基本レシピでは氷砂糖を使います
たいていのレシピには氷砂糖を使うように書いてあります。もちろん、他の砂糖やはちみつでも作れます。梅と同じ分量の砂糖を使えばいいので簡単です。砂糖の味わいによって出来上がりの風味が変わるので、色んな味にチャレンジしてみるのも趣深いものですよ。
基本のレシピで氷砂糖を使うのは、一番純度が高い砂糖だから。
出来上がりに雑味があまりなくなり、梅本来の味が出やすいという特徴があります。また、溶ける速度がゆっくりな氷砂糖は、梅のエキスを引き出す速度とバランスがいいと言われています。
砂糖の浸透圧で梅からエキスがじゅわっとあふれ出る仕組みなので、氷砂糖は梅とほぼ同量入れます。甘み控えめにしたい場合は800gくらいにしてもいいですが、あまり減らしすぎないのがコツです!
梅の下準備の方法
たくさん梅のエキスが出るように、果肉の大きい青梅を使いましょう
梅の準備は大まかにいうと次の順序。
- 手洗い
- あく抜き
- ヘタ取り
簡単な作業ですので、ぜひ子供と一緒に楽しんでみてください!
- シロップ作りに使うのは若い青梅。エキスがたっぷり出るように、果肉の大きい大粒のものを選ぶようにして下さい。これを流水できれいに手洗いします。子供が押しつぶしたりしないように見守ってあげてください。
- そのあと、水をたっぷり張ったボウルなどで1~2時間漬け込み、あく抜きをしてください。あく抜きまで終わったら、ひとつひとつきれいに水気を拭き取ります。傷のあるものなどはこの時点で省くようにしてください。
- ヘタを取ることで、出来上がりのえぐ味がなくなります。爪楊枝は折れやすいので、竹串などを使ってヘタをくるっと取ってください。子供でもできる作業ですので、黙々とやってみましょう。やってみると意外と楽しくて、病みつきになりますよ。
凍らせた「冷凍梅」を使う方法
ヘタまで取ったら、あとは漬け込むだけ。ですが、ここでジップロックなどに梅を入れ、一晩凍らせてから作るという方法もあります。
これにはふたつのメリットがあります。ひとつは、梅の繊維が破壊されてエキスが出やすくなるということ。もうひとつは、失敗の原因となる梅の実の発酵を抑える役割があるということ。時短にもなるので人気の方法です。
また、多めに冷凍しておけば、梅シロップがなくなり次第、すぐに新しいものを漬け込むことができます。
梅を瓶の中に丁寧に漬け込んでいきます
梅と氷砂糖の漬け込みの順序
いよいよ下準備も終わり。準備しておいた瓶に梅と氷砂糖を漬け込んでいきます。まずは梅と氷砂糖を半分量にします。ビンの底から「梅」→「氷砂糖」→「梅」→「氷砂糖」の順に敷き詰めていきましょう。
このとき、ぎゅっと押し込むと潰れてしまうので、優しく丁寧に。子供でもできますので、教えながらゆっくりやってみてください。
瓶はそのまま冷暗所で保存
作業はこれで終わり。しっかりフタをして冷暗所に保存しましょう。たまに様子を見て、氷砂糖と混ざりやすいように瓶をゆすってあげるのもいいですよ。だいたい1週間から10日ほどで完成です。
▼1週間から10日で出来上がります
砂糖が完全に溶ければ出来上がり。そのまま放置しておくと、中の梅がどんどん腐っていくので、早めに瓶から取り出してしまいましょう。取り出した梅は果肉部分だけ使って梅ジャムにもできます!
はちみつや酢を使った新しい梅シロップのレシピ
氷砂糖でなくはちみつを使ったもの、酢を加えたレシピなども人気です。詳しく見ていきましょう!
はちみつで作る梅シロップ
▼氷砂糖の代わりにはちみつで作る梅シロップ
身体によいと言われているはちみつ。これを使って梅シロップを作れば夏バテ知らずです!レシピは簡単。基本のレシピと同じ順序で作っていき、氷砂糖を同量のはちみつに変えて注ぎ込むだけ。はちみつの方が甘みが強いので、氷砂糖よりは少し少なめでも大丈夫です。
- 青梅 1kg
- はちみつ 700g~1kg
はちみつ梅シロップの注意点
はちみつは瓶の底に沈殿しやすいので、梅とよく混ざるように1日に数回、瓶をゆすってあげるようにして下さい。
酢を加えて作る梅シロップ
基本のレシピに「酢」を加えるという人もかなりいます。梅だけでもさっぱりした酸味があるのに、どうしてさらに酢を加えるのでしょうか?
これは酢のチカラで梅シロップの発酵を抑える効果があるからです。初心者が失敗しがちな梅の発酵を抑えてくれるので、初めて作るのなら酢を加えたほうが失敗する確率は下がるということ。ちなみに酢を入れても入れなくても、味はそんなに変わりがないので安心してください。
この場合、使う酢はなんでもお好みのものでOK。リンゴ酢や黒酢、米酢などいろいろ試してみてください。レシピは以下の通り。基本のレシピに酢を150g加えるだけの気軽さが嬉しいですね!
- 青梅 1kg
- 氷砂糖 1kg
- お好みの酢 150g
他の砂糖で作る場合
梅シロップ作りに使う砂糖はなんでもOK! 梅と同量の砂糖であれば、ザラメ、キビ砂糖、三温糖などでも大丈夫です。いろんな味を楽しんでみてくださいね!
▼キビ砂糖で作る梅シロップ
出来上がった梅シロップの保存方法
殺菌処理をすれば長持ちします
出来上がったシロップをガーゼなどで漉し、鍋に移します。梅の酸味が強いので、なるべくホーローなどの鍋を使うようにしてください。鍋に移し替えたシロップを15分ほど、煮立たせないように弱火にかけておきます。
これを熱湯消毒した瓶に移し替え、冷蔵庫で保存します。
▼冷蔵庫で保存しましょう
残った梅まで楽しめるレシピ
梅シロップの中の梅、取り出したらさようなら、ではないんです! ペーストやジャムにしたり、そのまま果肉を刻んでクッキーなどに入れてもOK。夏に似合うさわやかな味が楽しめます!
果肉を使って定番の「梅ジャム」作り
取り出した梅はエキスが出尽くしてしわしわになっていて形が少し悪いですよね。なので、果肉部分を砂糖と煮詰めてジャムにするのが一番多いようです。パンやスコーン、ヨーグルトに使うといいですよ!
<材料>
- 取り出した梅の果肉部分
- 果肉部分とほぼ同量の砂糖
<作り方>
果肉半分と砂糖半分を鍋に掛け、煮立たせないように弱火で煮ていきます。5分ほど経ったら残りの材料も入れて煮ましょう。途中でかなり灰汁が出ますので、きちんとすくってください。10~15分で完成です。
豚の生姜焼きや角煮などの隠し味にも使える万能調味料になります!
見た目にもさわやかな「梅ゼリー」はいかが?
<材料>
- 梅シロップ 250g
- 水 200g
- ゼラチン 10g
- ゼラチン用の水 50g
- 残った梅 そのまま5つ
ゼラチン用の水にゼラチンを振り入れ、溶かしておきます。梅シロップ250gと水200gを鍋に入れて弱火にかけ、煮立たせないように温めます。そこにゼラチンを加えましょう。カップにひとつずつ梅を入れて置き、そこにゼリー溶液を流し込んで冷やし固めるだけ。
▼梅ゼリーは夏のおやつにぴったり!
オーブンで「梅のドライフルーツ風」に
梅の実がひたひたにつかるくらいに水を加え、鍋で弱火で煮ます。実がふっくらしてきますので、その時点で種を取り除きましょう。よく水気を切ったら、オーブンシートを敷いた天板に実を並べます。160℃くらいで20分ほど乾燥させましょう。
まとめ
夏になると恋しくなる梅シロップの味。ほどよい酸味と甘みとが暑い夏の疲れを癒してくれますよね。朝食に摂ると一日が爽やかに過ごせそうです。子供にも美味しく飲んでもらえるので、ぜひ親子でチャレンジしてみてください!