北欧と日本の共通点
日本の「和の暮らし」に通じる北欧の精神
北欧雑貨にはなぜか我々を惹きつける魅力があります。気候も文化も違い、日本からは遠く離れた国なのに、どこか懐かしささえ感じることも。それは一体なぜでしょう。
その人気の秘密は、時代を超えたデザイン性、そして機能美にあります。
北欧雑貨は身近にある素材で作られている「民芸品」。そのため、北欧雑貨と和の暮らしはとても相性がいい、と有名です。われわれ日本人にとっても馴染みやすいのでしょうね。
民芸品とは「人々の生活の中で生まれ、日常的に使われる地域独特の手工芸品」のこと。
寒さの厳しい地域である北欧では、寒い冬を家の中で過ごす中、手仕事から数々の民芸品を生み出してきました。そんな歴史的な背景も知ると、なぜこんなにも北欧雑貨が人気なのか、理解が深まる気がします。
ぬくもりを感じられる木製品の数々
日本と同じくらい森林面積率の高い北欧
日本は緑豊かな国と言われています。国土の3分の2が森林で、これは先進国の中でもトップクラスの森林面積率を誇ります。
一方で、日本よりも森林面積率が高いのが北欧のスウェーデンとフィンランドなのです。
豊かな森と湖の国、フィンランド。
寒い冬の間、彼らは家の中で過ごす時間が多くなります。
北欧の家具にこだわりがつまっているのは、冬の生活を少しでも快適にしたいという彼らの知恵でもありました。また、家具を作った木材の余りで、多くの木製品も作ってきました。こうして、北欧では数々の木工品が生まれることになったのです。
贈られた人を幸せにする馬の飾り
赤い鮮やかな色合いの馬のおもちゃ「ダーラナホース(ダーラヘスト、Dalahast)」
スウェーデンの伝統的な木彫りの馬。かつて馬は農耕や生活に欠かせない相棒でした。家具づくりなどで余った木材を、冬の暖炉の傍でナイフ一本で彫り、自分の子供のおもちゃにしたのが始まりと言われています。馬なのに鮮やかな色のものが多いのも特徴です。
IKEAなどでもよく見かける、北欧民芸品の定番!
もともとは木のおもちゃですが、今では布小物や陶器製などいろんなものが作られています。どんな素材でも可愛いので、素材別や、お気に入りのデザインを集めてみてくださいね!
羊毛フェルトでできたダーラナホースもまた趣が変わって可愛いです。
革製のキーホルダーになったダーラナホース。普段使いにぴったり!
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手に馴染むまぁるいフォルムが可愛い「ククサ」
人生と同じように色合いを変えていく手彫りのコップ
ククサはフィンランドの民芸品。白樺のこぶから作る手彫りのコップのことです。使い込むほどに色合いを変えていき、どこへ行くにも連れていきたくなるほど愛着がわきます。アウトドアを愛するフィンランドでは、キャンプやピクニックに必ず自分のククサを持参するのだとか。
ちなみにこれは「誰か」の幸せを願って贈るものであり、自分自身のためには贈らないのがルールなのだそうです。誰か、贈りたい人が思い浮かびましたか?
ひとつひとつ、丁寧に手作りします。
もちろんコーヒーを飲むだけではなく、お部屋で小物入れとして使ったり、壁に掛けて飾りにしてもいいですね。
インテリア性も高いのがこのコップの特徴です。
庭の花を摘んできて飾ったりしても素敵!
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白樺の樹皮を使った雑貨
白樺の樹皮で編んだバスケット「Tuohikori(トゥオヒコリ)」
白樺は、寒い場所に生息する広葉樹。日本だと北海道や長野県などに分布しています。北欧やシベリアを代表する樹木ですね。
その樹皮は、防腐作用もあり長持ちすると言われている丈夫な素材。北欧を代表する民芸品に白樺雑貨が多いのはそのためです。
ちなみに白樺の樹液は人工甘味料キシリトールの原料になっており、北欧の子供に虫歯患者が少ないのは、その効果をいち早く取り入れていたから、とも言われています。
軽くて丈夫な白樺のバスケットは、生活の色んなシーンに大活躍。ちょっとした小物を入れておくのにも、食卓の上でバゲットを置くのにも便利。シンプルで上質な空間を作ってくれますよ。
食卓でも大活躍する白樺のバスケット。
小物を入れたり、花を飾ったり。存在を主張しすぎないさりげなさ。
オブジェの素材としても優秀です!
また、この白樺素材はオブジェ作りにもちょうどいいんです。クリスマスのオーナメントを白樺の樹皮で編みこんで作るのもおしゃれですよね。
クリスマスを彩る「ヒンメリ」
サンタクロース発祥の地で欠かせないクリスマス
フィンランドといえばサンタクロース(Joulupukki)発祥の地。毎年、日本でもクリスマス前にフィンランドのサンタさんへ手紙を送ったりしますよね。
北欧ではクリスマスのお祝いにも手作りの品がたくさん並びます。中でも有名なのはヒンメリ(Himmeli)。別名を「光のモビール」ともいい、フィンランドのクリスマス「ヨウル(joulu)」に欠かせない装飾品です。
日本でも定着してきた「ヒンメリ」。
藁に糸を通していろんな形を作り、それを繋ぎ合わせていきます。語源はスウェーデン語の「Hinmmel(天)」ですので、ツリーや部屋の天井など高いところに吊るします。
藁を繋ぎ合わせる行為が、同じく藁を編んで注連縄を作る日本の文化に通じるものを感じるのは私だけでしょうか。
ヒンメリの形だけでなく、壁に映し出されるその影の形までも素敵です。
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デンマークの可愛い木製玩具「カイ・ボイスン」のモンキー
愛嬌のある顔に、思わず笑顔がほころぶおサルさん
いろんなところにぶら下がっている姿を見かける「カイ・ボイスン」のモンキー。長い手と、その先がくるっと曲がっているのが特徴で、必ずどこかにひっかかるような作りになっていますよね。
実はこれ、元々おもちゃや飾りとして作られたものではありません。大人が使うハンガーフックなど、高いところに手の届かない子供が使いやすいようにとデザインされた実用的なものなんです。モンキーの長い手を高いところに引っ掛けておき、モンキーの足先に子供が自分の帽子やコートをひっかけて使う、そんな仕組みなのです。
今はもうおもちゃとして売られているので、あまり重たいものはひっかけることができませんが、生活の一部として使われていた働き者のおサルさんなんですね!
スマホ置きとして使っても可愛いですよ!
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おわりに
北欧も日本も、丁寧な手仕事からたくさんの実用的で美しい木工民芸品が生まれてきました。その優れたデザイン性は、時代と空間を超えて我々の生活を豊かにしてくれています。その美しさゆえに少し値段が高いのですが、使い込むほどに手に馴染む作品を、ぜひ生活に取り入れてみませんか?きっとゆとりある豊かな生活が送れると思います。