レーヨンってどんな素材?
レーヨンってなに?
レーヨンは見た目も肌触りもシルクによく似た繊維です。木材パルプを原料にしているので、麻や綿と同じく、土に埋めれば自然分解されます。
ちなみにフランス語で「光線」という意味。この光沢は「光線」の名前に相応しいものですね。触り心地が滑らかでひんやりしており、特に夏に活躍します。婦人服の生地や洋服の裏地などに使われることでお馴染みでしょう。
また、あまり知られていませんが、素材そのものが弱酸性。アンモニア臭などアルカリ性のにおい物質を中和してくれるので、消臭性があるんです。夏に大活躍するクールブラウスには、レーヨン素材のものが多いです。
レーヨンの一番の特徴
なにより、レーヨンの一番大きな特徴は「コットンより吸湿性に優れている」ということ。ウールの次に吸湿性が高く、保水性にも優れています。このため静電気も防いでくれるんです。
こう聞くととても良さそうな感じもしますが、水を含むと繊維が膨張し、乾くときに急激に縮むという面倒な一面があります。レーヨン素材と知らずに洗ってしまって大変なことになるのはこれなんですね。
レーヨンと知らずに普通に洗濯して縮ませてしまう人、結構います!
このため、今までは一般的に「レーヨンは水では洗えない」ものとされ、ドライクリーニングに出していました。しかしドライクリーニングでは汗汚れを十分に落とせません。
レーヨンの正しい洗濯方法って?
ではどうしたらいいのでしょう?その答えは「水で縮まないうちに、短期間で水洗いをする」こと。
衣類は数十秒で洗い、さっとすすいで脱水をします。ごしごし洗うイメージではなく、衣類についた汗汚れをすすいで落とすくらいのイメージがいいでしょう。次からは洗濯方法を詳しく見ていきます。
レーヨンを自宅で洗えるかどうかの見極め
洗濯表示をきっちりチェックしよう
まず、自分の持っているレーヨンの洋服のタグを見ましょう。レーヨン(rayon)もしくはビスコース(viscose)と書かれていれば該当します。次に、水洗いが可能かどうかを調べます。これはもちろん、洗濯表示のタグを見るしかありません。
このタグの表記は2016年12月より変更になり、海外の表示と統一されました。古い表示方法で覚えている人は、消費者庁から発表されたものをご参照ください。
2016年12月より50年ぶりに洗濯表示が変更になりました
レーヨンの洗濯方法
水洗いOKの場合は?
中性洗剤(おしゃれ着洗い用洗剤)を使って自宅でも洗えます。ただし、色柄物の場合、色落ちしないかどうかのチェックは事前にしましょう。目立たない箇所に洗剤をつけ、数分間置いておきます。その後、白い布などを当ててみて、色が移ってこないか確認しましょう。
色落ちしなければそのまま洗えますし、色落ちがあるならほかの洗濯物と分けなければなりません。
湯温は30℃以下がいいのでふろの残り湯は使わず水道水にした方が無難です。洗濯機を使うなら、水流は「弱」(もしくはドライマークコースやおしゃれ着洗いコースなど)に設定します。
安全を期すためには「手洗い」にするのをおススメします。洗浄用の桶とすすぎ用の桶を別に用意しておくと時短になりますよ。
揉んだりこすったり、ずざぶざぶ洗いで30秒ほど、すすぎも同じく30秒、脱水も30秒で、合計2分くらいをめどにスピーディに行ってください。
洗濯終了後はすぐ取り出し陰干しに! 形をささっと整えたら、縮みを防ぐために吊るして陰干しにしたらいいですよ。しわを優しくとって吊るしてください。
レーヨンの洗濯はスピード勝負。陰干しまでスピーディに行ってください!
水洗いNGの場合は?
残念ながら家庭では洗えません。洗濯表示に従い、ドライクリーニングに出すようにしてください。
おわりに
暑い夏を涼やかに演出してくれるレーヨン。着心地も良く活躍しそうですが、知らずに洗濯するととんでもないことになります。ぜひ洗濯表示を確認し、自宅での洗濯に挑戦してみてください。スピーディにやることがコツですよ!