カレンダーといえば365日の数字のカレンダーを使っている方がほとんどだと思います。日本にはその昔使われていた暦があり「二十四節気」や「七十二候」で季節の変化を表してしました。美しい日本語で表現される「七十二候」は日本人として知っておきたい暦です。読み方や意味合いを知ると、日本の四季や季節の変わり目をもっと楽しく過ごせますよ。その時期におすすめの食材などが分かるカレンダーやアプリもおすすめです。

「七十二候(しちじゅうにこう)」とは?

「七十二候(しちじゅうにこう)」とは、気候や動植物の変化をを短い文で表現した暦です。古代中国で作られ日本に伝えられた「二十四節気(にじゅうしせっき)」と「七十二候(しちじゅうにこう)」。

半月ごとの季節の変化を表すものが「二十四節気」です。「七十二候」は、さらに5日ずつに分けた暦になっています。古代のものがそのまま使われている「二十四節気」に対して「七十二候」は日本に合うように名称が変更されています。漢字が並び難しいように感じますが、意味を一緒に知ることで、季節の変化の兆しを感じることができますよ。

美しい日本語と自然を身近に感じることができる子どもにも伝えたい暦です。

季節は春の七十二候をいくつかご紹介します。

立春(りっしゅん)

「立春」は二十四節気のはじめの節気です。春の気配を感じる季節です。
第1候|東風解凍(はるかぜこおりをとく)
第2項|黄鴬睍睆(うぐいすなく)
第3項|魚上氷(うおこおりをいずる)

「東風解凍 (はるかぜこおりをとく)」 2/4~2/8頃

七十二候はじまりの「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」。まだ、寒さは厳しいですが、春の訪れをつげる、優しい風が吹いて、冬の季節にできた氷を解かすという意味がこめられています。

雨水(うすい)

降る雪が雨にだんだん変わり、雪解けの季節です。
第4項|土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)
第5項|霞始靆(かすみはじめてたなびく)
第6項|草木萌動(そうもくめばえいずる)

「土脉潤起 (つちのしょううるおいおこる)」 2/19~2/23頃

雪解けがはじまり、凍りついていた大地がゆっくりと潤い始めます。

啓蟄(けいちつ)

大地が少しずつ暖まり、土の中で冬ごもりをしていた虫たちが活動しはじめます。
第7項|蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)
第8項|桃始笑(ももはじめてさく)
第9項|菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

「蟄虫啓戸 (すごもりのむしとをひらく)」 3/5~3/9頃

暖かな春の訪れを感じて、土の中でふゆごもりをしていた、虫たちが「戸」を開いて顔を出ししはじめます。

春分

だんだんと日が長くなり、昼と夜が同じくらいの長さになる頃。桜も咲き始め、いよいよ春が到来します。
第10項|雀始巣(すずめはじめてすくう)
第11項|桜始開(さくらはじめてひらく)
第12項|雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)

「雀始巣 (すずめはじめてすくう)」 3/20~3/24頃

昼の時間が長くなる春頃からスズメは、繁殖期に向けて枯葉などを集めて巣をつくり始める様子が表現されています。

清明(せいめい)

春風や暖かな日差しが降り注ぎ、木の若葉が芽吹いたり花が咲く頃。清らかですがすがしい様子が表現されています。
第13項|玄鳥至(つばめきたる)
第14項|鴻雁北(こうがんかえる)
第15項|虹始見(にじはじめてあらわる)

「玄鳥至 (つばめきたる)」 4/4~4/8頃

夏の鳥であるツバメが見られる時期です。ツバメは寒い冬を東南アジアの暖かい国で過ごし、春になると繁殖のために日本へやってきます。

穀雨(こくう)

農家の方には恵みとなる雨が降る頃。穀物に実りをもたらしてくれます。
第16項|葭始生(あしはじめてしょうず)
第17項|霜止出苗(しもやみてなえいずる)
第18項|牡丹華(ぼたんはなさく)

「葭始生 (あしはじめてしょうず)」 4/20~4/24頃

だんだん気候が暖かくなり、野山の若葉だけでなく、水辺に根を張る葭(あし)も芽吹く時期という意味です。

季節は夏。七十二候で夏の兆しを感じてみましょう。

立夏(りっか)

「春分」と「夏至」の中間にある「立夏」から夏がスタートします。爽やかな風と新緑がまぶしい季節です。
第19項|蛙始鳴(かわずはじめてなく)
第20項|蚯蚓出(みみずいずる)
第21項|竹笋生(たけのこしょうず)

「蛙始鳴 (かわずはじめてなく)」 5/5~5/9頃

蛙(かえる)が鳴きはじめる頃。カエルの鳴き声が聞こえるようになると、もうすぐで夏が訪れるということを教えくれます。

小満(しょうまん)

日差しがだんだんと強まり、自然界のものが成長して、天地に満ち始める頃。草花が咲き、麦の穂が育っていく様子に安心して満足という意味も込められています。
第22項|蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ
第23項|紅花栄(べにばなさかう)
第24項|麦秋至(むぎのときいたる)

「蚕起食桑 (かいこおきてくわをはむ)」 5/21~5/25頃

蚕(かいこ)が桑の葉をモリモリを食べる時期です。そして、約1ヵ月後には、蚕(かいこ)は白い糸を体に巻きつけて繭となり、絹糸が生まれます。

芒種(ぼうしゅ)

麦や稲などの植物の穂先についている毛のことを芒(のぎ)といいます。「芒種(ぼうしゅ)」の頃になると、芒(のぎ)のつく植物の種を蒔いたり、田植えや麦の刈り入れをする目安にされてきました。
第25項|蟷螂生(かまきりしょうず)
第26項|腐草為螢
第27項|梅子黄(うめのみきばむ)

「螳螂生 (かまきりしょうず)」 6/5~6/9頃

前年の秋頃に産み付けられた数百個という卵から、小さなカマキリが次々と誕生してくる時期です。

夏至 (げし)

昼の時間が一番長い日です。夏至を過ぎた頃から、暑さがだんだんと厳しくなり、本格的に夏が訪れます。
第28項|乃東枯(なつかれくさかるる)
第29項|菖蒲華(あやめはなさく
第30項|半夏生(はんげしょうず)

乃東枯 (なつかれくさかるる)」 6/21~6/25頃

乃東(なつかれくさ)とは、冬至に芽を出して夏至に枯れる紫色の花を咲かせる植物。その「乃東(なつかれくさ)」が枯れる頃です。

小暑(しょうしょ)

梅雨の季節が終わり、気温が高くなってくる頃です。
が吹き始める頃。温風は梅雨明けの頃に吹く南風のこと。日に日に暑さが増します。
第31項|蓮始開(はすはじめてひらく)
第32項|鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)
第33項|温風至(あつかぜいたる)

「温風至 (あつかぜいたる)」 7/7~7/11頃

文字通り、熱い風が吹く頃。梅雨が明ける頃の湿った空気で突然の豪雨など気象の変化が起こりやすい時期です。

大暑(たいしょ)

梅雨が明け、夏本番の暑い季節です。気温もどんどん上がってきます。
第34項|桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)
第35項|土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)
第36項|大雨時行(たいうときどきふる)

「桐始結花 (きりはじめてはなをむすぶ)」 7/22~7/27頃

初夏に花が咲き、盛夏になる今の時期に、卵の形をしたの実を結ぶ桐(きり)の様子を表現されています。

季節は秋の七十二候についてご紹介します。

立秋(りっしゅう)

まだまだ、厳しい暑さは続きますが、暦では秋の始まり。立秋の日が一番暑いとされ、少しずつ暑さが落ち着いてきます。
第37項|涼風至(すずかぜいたる)
第38項|寒蝉鳴(ひぐらしなく)
第39項|蒙霧升降(ふかききりまとう)

「涼風至 (すずかぜいたる)」 8/7~8/11頃

まだ、暑さが厳しいですが、朝晩に涼しい風が吹くのを感じられられる頃です。

処暑(しょしょ)

「処」とは、落ち着くという意味で、暑さがやわらぐ季節です。
第40項|綿柎開(わたのはなしべひらく)
第41項|天地始粛(てんちはじめてさむし)
第42項|禾乃登(こくものすなわちみのる)

「綿柎開 (わたのはなしべひらく)」 8/23~8/27頃

綿は7月~9月に黄色い花が咲き、実をつけます。綿を包んでいる「柎(はなしべ)」が開き始める頃です。

白露(はくろ)

朝晩の気温差が大きいこの時期は、草花に露が見られるようになります。
第43項|草露白(くさのつゆしろし)
第44項|鶺鴒鳴(せきれいなく)
第45項|玄鳥去(つばめさる)

「草露白 (くさのつゆしろし)」 9/7~9/11頃

朝晩の気温が下がり、野の花や草についた朝露が白っぽくキラキラと見える季節です。

秋分 (しゅうぶん)

秋分は、昼と夜の時間が同じくらいになる頃です。太陽は真東からのぼり、真西に沈みます。
第46項|雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)
第47項|蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)
第48項|水始涸(みずはじめてかるる)

「雷乃収声 (かみなりすなわちこえをおさむ)」9/22~9/27頃

春頃から夏にかけての雷の音が収まる頃という意味です。

寒露 (かんろ)

秋が深まり、肌寒く感じる時間が増えてくる頃、草木にも冷たい露がつきはじめます。

第49項|鴻雁来(こうがんきたる)
第50項|菊花開(きくのはなひらく)
第51項|蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)

「鴻雁来 (こうがんきたる)」 10/8~10/12頃

冬鳥である雁(がん)が、日本へやってくる頃です。同じころ、つばめなどの夏鳥は暖かい南へ飛んでいきます。

霜降(そうこう)

秋も終わりに近づき、朝晩は冷え込み、朝露が霜に変わる頃です。
第52項|霜始降花(しもはじめてふる)
第53項|霎時施(こさめときどきふる
第54項|楓蔦黄(もみじつたきばむ)

「霜始降 (しもはじめてふる)」 10/23~10/27頃

寒さがだんだんと厳しくなり、霜が降り始める季節です。

季節は冬の七十二候をご紹介します。

立冬(りっとう)

日暮れが、だんだんと早まり、冷たい風が吹き始める頃です。
第55項|山茶始開(つばきはじめてひらく)
第56項|地始凍(ちはじめてこおる)
第57項|金盞香(きんせんかさく)

「山茶始開 (つばきはじめてひらく)」 11/7~11/11頃

冬に咲く花としては貴重な「山茶花 (さざんか)」 の花が咲き始める様子が表現されています。

小雪 (しょうせつ)

北国や山の方では初雪の知らせがある頃です。冬の季節ではあるけれど、まだ寒さも厳しくなく雪も少ないことから「小雪」と言われるようにまりました。
第58項|虹蔵不見(にじかくれてみえず)
第59項|朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)
第60項|橘始黄(たちばなはじめてきばむ)

「虹蔵不見 (にじかくれてみえず)」 11/22~11/26頃

太陽の光が弱くなり、虹が出なくなる季節です。

大雪(たいせつ)

山々だけでなく、平地でも雪が降り出す頃になりました。
第61項|閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
第62項|熊蟄穴(くまあなにこもる)
第63項|鱖魚群(さけのうおむらがる)

「閉塞成冬 (そらさむくふゆとなる)」 12/7~12/11頃

どんよりとした雲が空を覆うように塞ぎ、本格的な冬景色になる頃の様子を表現されています。

冬至(とうじ)

冬至(とうじ)は、太陽が一年で一番低い位置にあるので、昼の時間が一番短い日です。
第64項|乃東生(なつかれくさしょうず)
第65項|麋角解(さわしかのつのおつる)
第66項|雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)

「乃東生 (なつかれくさしょうず)」 12/21~12/25頃

冬に芽を出して、夏に枯れる「乃東(なつかれ)という植物が芽を出し始める時期です。

小寒(しょうかん)

いよいよ、寒の入りと言われる時期です。

第67項|芹乃栄(せりすなわちさかう)
第68項|水泉動(しみずあたたかをふくむ)
第69項|雉始雊(きじはじめてなく)

「芹乃栄 (せりすなわちさかう)」 1/5~1/9頃

冷たい水辺で生育する「芹(せり)」が盛んに育つ様子を表現されています。

大寒 (だいかん)

いちばん寒さが厳しくなる季節です。そして24節気最後の節気でもあります。
第70項|款冬華(ふきのはなさく)
第71項|水沢腹堅(さわみずこおりつめる)
第72項|鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)

「款冬華 (ふきのはなさく)」 1/20~1/24頃

寒い時期に、黄色いつぼみを出す「ふきのとう」を見かける時期になりました。

「七十二候」の美しい日本語で季節の変化を

昔から歌い継がれる童謡に出てくる言葉にも使われる七十二候。よく見かける動物や植物が使われた七十二候もあれば、初めて聞いたという言葉もたくさんあったのではないでしょうか?365日の暦では感じることができない季節の変化を七十二候の暦を使うことで、見る景色や感じ方も変わってきます。ぜひ、子どもにも語り継ぎたい美しい日本語で表現された「七十二候」で季節の変化を感じてみてはいかがでしょうか。