暮らしに溶けこむ北欧ヴィンテージ。リビングに取り入れたい家具や雑貨たち

北欧ヴィンテージの魅力とは

現代の私たちに馴染むようリペアされ、さらに魅力あるアイテムへと生まれ変わった姿から醸し出されるのは、ただそこにあるだけでいい美しさ。

北欧ヴィンテージには、私たち日本人の心にずっと根付いてきた「温故知新」に、どこか相通じるものがあるように感じます。

新しいものばかりに目が行きがちで、キレイなものを持つことを良しとしてしまう現代の人々。そんな私たちに、「古きを大切にし、新しきを知る」ということを、無駄のない美しさと重厚な存在感で示してくれているかのようです。

そんな、北欧ならではの美しく洗練されたヴィンテージ家具の魅力について語っていきましょう。

北欧ヴィンテージとは

北欧ブームと共に、インテリア雑誌や家具・雑貨特集などでよく目にするようになった「北欧ヴィンテージ」。

主にスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークなどの北欧出身デザイナーたちによって作られた、家具や照明器具、食器、ファブリックなどのヴィンテージアイテムのことを指します。「北欧アンティーク」「北欧ユーズド」などと呼ばれることも。

また最近では、数十年前に作られた北欧家具をリペアしたものを、現代の私たちの暮らしに取り入れるというインテリアそのものを「北欧ヴィンテージ」と表されることも多くなってきました。

ジャンルを問わず、「北欧」というスタイルがすっかりお馴染みのものとなったこの日本で、これまでは新しいものとされていた「北欧ヴィンテージ」もまた、インテリアの定番として浸透しつつあるようです。

北欧ヴィンテージの歴史を知る

北欧ヴィンテージを語るうえで、切っても切り離せないもの。それは、その家具が生きてきた長い長い歴史を知ることです。

はじまりは、第二次世界大戦頃の1940年〜1960年代後半。スカンディナヴィア諸国とフィンランドを「北欧」と位置づけ、そこでデザインされた家具や雑貨のジャンルは「スカンディナヴィアデザイン(北欧デザイン)」として徐々に確立されていきます。

世界中で広く知られるようになったのは1940年代後半。米国NYの有名家具店がこぞって販売するようになり、瞬く間に注目の的となりました。

類稀なる才能を持った素晴らしい北欧出身デザイナーたちの手によって、木のぬくもりを感じる上質な北欧デザインの家具が、次々と誕生していきます。天然のチークやオークは、現代のそれとは比べ物にならないほどで、とても良質な木材が手に入った時代だったそうです。

優れた材質に恵まれた環境に加えて、職人たちの高い技術力とオリジナリティ溢れるデザイン性が、北欧家具の製作と発展に大きな影響を及ぼしたと言われています。そんな素晴らしい時代に作られた優秀な北欧家具たちを、私たちは「北欧ヴィンテージ」と呼んでいるのです。

さまざまな変遷を辿ってきた北欧家具ですが、いつの時代でも「飽きのこない、終わりのない定番」であり続ける姿は唯一無二。その北欧独自の普遍的なスタイルは、この先もずっと変わることはないでしょう。

北欧ヴィンテージ家具の特徴

美しい木目を持つ、木の材質

北欧家具に使われる代表的な木材は、チーク材、オーク材、ローズウッド材。どれも艶と深みのある赤みがかったブラウンで、使われている木材の質の高さを感じさせます。

そして、忘れてはならないのが「木目」。北欧家具のトレードマークとも言える、コントラスト豊かな木目の美しさには、ついため息が出てしまうほど。

木材ごとの強度や材質の特徴を活かすことはもちろん、その木目の美を最大限に発揮できるようデザインされた製品づくりがなされています。

チーク材

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マホガニー、ウォールナットと並ぶ高級材として、ヨーロッパのアンティーク家具にも使われてきた銘木。その抜きんでた強靭な硬さと、海水でも腐らないとされる耐水性が、3大高級木材のひとつと言わしめる由縁です。

現在では伐採を禁止している地域も多く、輸入の規制などの行われているため、入手するのが難しい木材にもなっています。ですから、チーク材のヴィンテージとなるとさらに貴重なもの。北欧家具の中では、特にデンマーク製の家具に多く使われてきました。

細かくはっきりとした縞模様が特徴的な木目で、圧倒的な存在感が印象的。木材内部にある天然の油成分があるため、塗装やニスでの手入れをしなくてもその艶感はしっかりと保たれます。硬い材質ではありますが、曲げ木や圧縮加工に向いており、婉曲の美しい北欧家具にはぴったりの木材です。

オーク材

よく耳にする、世界的にもポピュラーな木材。イギリスヴィンテージの家具にも多く使われています。黄褐色の強い色味のため、北欧家具では塗装をかけて使われているそう。日本の高級木材であるナラ材と特徴がよく似ていて、海外ではナラ材を「ジャパニーズオーク」と呼んでいたりもします。

粗く大胆な木目が、強い美しさを感じさせるオーク材。申し分ない強度と優れた耐久性を活かして、建具や床材としても取り入れられています。

ローズウッド材

日本では「紫檀(したん)」と呼ばれ、古くから最高級の和家具へ用いられてきました。その名前の通り、紫がかった色合いが特徴のローズウッド材。重厚感でローズウッドに勝てる木材は他にはないのでは、と感じるほどの深みがあります。

ローズウッドのどっしりとした色調と、艶のある木目のコントラストをしっかりと味わいたいのならダイニングテーブルがおすすめ。家庭の中心であるダイニングに取り入れることで、グッと締まった高級感のある空間を簡単に演出できます。

計算し尽くされたフォルム

彎曲が美しい角、波打つような滑かな曲線、機能美、素材感、木目の出しかた。どの角度から眺めても様になる、美しい出で立ち。コロンと丸っこい、素朴な親しみやすさ。

どれも北欧家具の「定番」と言うべき特徴の数々です。その計算し尽くされた北欧家具らしいフォルムは、ずっと変わることなく受け継がれてきました。

北欧家具の長い歴史の中でデザイナーや職人さんたちによって温められ、守られ続けてきた「伝統」でもあります。時代は変わっても、北欧らしさは変わらない。それが、流行を超えて、世代を超えて、北欧ヴィンテージ家具がいつまでも多くの人に愛されている理由なのではないでしょうか。

究極のシンプル

いつまでも飽きがこず、むしろ使えば使うほどに手放せなくなるのも、無駄のないシンプルさゆえ。年月の経過とともにできる自然な傷や色味の変化は、たとえ同じ家具でも置いている場所や使い方でまったく異なるのです。

その家具と生きてきた、自分自身の人生と照らし、振り返る楽しみをも与えてくれます。

装飾なんて必要のない、唯一無二の存在感。ただそこにいてくれればいい、人生をともにしたい家具です。

空間を選ばない対応力

モダン、アンティーク、クラシック、ミッドセンチュリー…特に北欧ヴィンテージ家具の上品さは、馴染むどころか、ワンランク上の空間へ格上げさえしてくれる。北欧ならではの究極のシンプルは、どんな空間にも対応できる、無限のポテンシャルを具えています。

北欧ヴィンテージ家具を代表する4人の巨匠

チェアを制すれば、北欧家具を制す。北欧デザインの巨匠たちは皆、チェアのデザインからはじまっているようです。

ハンス・J・ウェグナー

出典:CARL HANSEN & SON

数々の有名なチェアを生み出したデンマーク出身の巨匠。北欧ヴィンテージ=ハンス・J・ウェグナーと言ってもいいほど、北欧家具の歴史を語る上で欠かせない存在です。

1950年に製作された「Yチェア(CH24)」は、そんな彼が生み出した最高傑作というべき逸品。

正面から見たときの、背もたれの体に沿うようなアーチと、背もたれと座面を繋ぐ中心のY字が特徴的です。肘掛けから下へと伸びるしなやかな曲線は、どこか人間のボディラインを思わせます。

そして横から見ると、また違った味わいがあるのが北欧家ヴィンテージ家具。うっとりするような計算されたなめらかなラインと、先に向かう程細くなる繊細な4本脚の魅力は、横から見ないと感じられません。

耐久性に富んだペーパーコードを使った座面で、座り心地も天下一品。家具職人を経てデザイナーとなったウェグナーだからこそ、作り出せた名作なのかもしれません。

アルネ・ヤコブセン

出典:H.D.L

デンマーク出身のインダストリアルデザインの巨匠。家具だけでなく、建築物や照明器具など、様々な製品のデザインに携わった多才なデザイナーです。そんなヤコブセンの代表作と言えば、絶大なインパクトの「アントチェア」。

ひとたび目にすれば忘れることのできない、独特の美しさを放ちます。座面部分だけを見れば、軽やかさと落ち着いた雰囲気を醸していますが、そこにつながる細長い三本脚がなんとも斬新。

正面からの姿からは、見ているだけで背筋がスッと伸びるような直線美を感じます。個性的なフォルムながらも、人間工学に基づき、座っていても疲れにくい設計がなされています。

他にも、「スワンチェア」「エッグチェア」など数々の代表作を残しています。

ボーエ・モーエンセン

出典:ROGOBA

デンマーク出身の庶民派デザイナー。有名建築家コーア・クリントに師事しデザインを学びます。

FDBモブラー(デンマーク生活協同組合インテリア部門)の初代デザイン責任者となった彼は、「一般市民のために、末永く愛される安価で質の高い椅子を」と、「J39」を作り出しました。

デンマークの国民的チェア「ピープルチェア」として、今もなお生産され、愛され続けている人気の高い「J39」。ペーパーコードを使った耐久性に優れた座面と、水平にまっすぐと伸びる脚が特徴的なシンプルなチェアです。

手頃な価格帯でありながら、丈夫で機能的で、ちゃんと美しい。普通の若者でも優良な家具を手にして欲しい、という信念を貫き、さまざまな家具をデザインし続けました。

アルヴァ・アアルト

出典:wiki

フィンランドを代表する、建築家・デザイナーであるアルヴァ・アアルト。1933年に発売されて以降、これまで800万脚も作られたという北欧家具の名作中の名作「stool60」をデザインしました。

「アアルトレッグ」と呼ばれる、木を曲げる独自の技法によって作り出された三本の脚が特徴です。柔らかい脚部の曲線とバーチの温かい素材感が融合した、ぬくもり溢れるフォルム。

シンプルでスタイリッシュな佇まいは、どこに置いても様になる邪魔にならない存在感です。

北欧ヴィンテージは家具だけじゃない

北欧ヴィンテージは、何も家具だけではありません。流れた月日や時代さえ新鮮に感じさせてくれる、年代物の素敵なヴィンテージアイテムたち。
現行アイテムと比べたり、ヴィンテージだけを並べてみたり。

自分なりの楽しみ方が分かると、さらに手持ちを増やしたくなりますよ。

ヴィンテージファブリック

ファブリック=「布」のこと。ヴィンテージの生地を指しています。数十年前の布ですから、保存状態が良いものでなければ当然売ることができないもの。逃してしまったら、もう二度とお目にかかれないなんてこともあるのだそうです。

掘り出し物は迷わず手に入れましょう。

marimekko(マリメッコ)のヴィンテージ

 

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マリメッコの人気柄「ウニッコ」に似ているようで似ていない?!素朴で小さめのお花が可愛らしい。

marimekko(マリメッコ)の人気ヴィンテージ「カイヴォ」

1965年、マリメッコの人気デザイナー「マイヤイソラ」がデザインした「カイヴォ」。大胆な大柄と落ち着いたブラウンが特徴的。ソファカバーやベッドカバーにおすすめです。

Amazon
楽天市場
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Saini Salonen(サイニ・サロネン)のヴィンテージ

 

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油絵のようなタッチが魅力的な大人っぽい花柄。こちらは1960年〜70年代にかけて活躍した、フィンランドのテキスタイルデザイナー「サイニ・サロネン」のヴィンテージです。

色味がはっきりとしていて、大胆なデザインが特徴。今では幻となっているレアなアイテムも数多くあるのだとか。

FINLAYSON(フィンレイソン)のヴィンテージ

 

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「北欧」といえば今も昔もそう、「ムーミン」です。優しいパステルカラーとレトロなタッチが逆に新鮮。こちらは「FINLAYSON」のヴィンテージファブリック。ムーミン好きは絶対に手に入れたくなる、たまらなく可愛いテキスタイルです。

ヴィンテージ食器

こちらの食器もファブリック同様、保存状態の良いものや、なかなか手に入らないプレミアものがたくさん。いっきに集めようと思わずに、少しずつ手に入れていく楽しみを感じてくださいね。

ロイヤルコペンハーゲンのヴィンテージ絵皿

 

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デンマークを代表する食器メーカー「ロイヤルコペンハーゲン」。いくつも欲しくなる、個性的な絵柄と独特の色合いが素敵。

ARABIA(アラビア)の人気ヴィンテージ「カトリーリ」

 

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一目見ただけで年代モノだと分かるレトロさ。ぜひ、北欧のダイニングテーブルとともにその可愛さを味わってほしいアイテムです。

Figgio(フィッギオ)のヴィンテージ

 

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ノルウェーの食器メーカー「Figgio(フィッギオ)」のもの。遊び心溢れるデザインは、まるで子どもたちの絵本を読んでいるかのよう。今にもお皿の中から飛び出してきそうなほどに表情豊かな絵柄は、見ているだけで笑顔になれる可愛さです。

ヴィンテージ雑貨

生地や食器のほかにも、北欧のヴィンテージ雑貨はたくさんあります。中でもこんなものが人気のようです。

ブリキ缶

 

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ブリキのヴィンテージ缶。北欧らしい、温かみのあるポップな色合い。

Lisa Larson(リサラーソン)の陶器のオブジェ

 

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世界限定数のみの生産で、かなり希少な逸品なのだそう。現在再販されていないものになると、さらにその価値は上がります。

Lisa Larson(リサラーソン)の陶板

 

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こちらはLisa Larson(リサラーソン)の陶板。シリーズごとの絵柄を集めていきたい。玄関や飾り棚など、どこでも生活に馴染むデザインです。

北欧ヴィンテージがある暮らし

北欧ヴィンテージを取り入れた暮らしをご紹介。ぜひあなたのお部屋のインテリアの参考にしてくださいね。

 

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視界のどこを切り取っても北欧アイテムが目に飛び込んでくる、まさに北欧一色のダイニングスペース。ヴィンテージ家具に並べられたリサラーソンの花器や、色調の強めな壁の陶板が、この空間の北欧らしさをさりげなく後押し。

ミナペルホネンのファブリックで覆われたダイニングチェアに座って天井を仰げば、ルイスポールセンの照明が一際存在感を放っています。

 

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飾られたグリーンと深みのあるブラウンのコントラストがとても美しい。北欧ならでは木材の質感と緑の瑞々しさが相まって、自然を感じるあたたかい空間に仕上がっています。

男性に真似して欲しい、北欧ヴィンテージスタイル。革張りのスツールがピリっと利いています。

 

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これぞ「大人の北欧」。歳を重ねたからこそ出来た、センスが光るリビングの一角です。円の模様が美しい横長いヴィンテージのチェストに、等間隔に並べられた個性的なオブジェ。

そのひとつひとつがそれぞれに存在感を放ち、よく際立っています。黒縁のフレームに額装されたマティスのポスターがとても似合いますね。女性らしさを感じる、洗練された趣き。

 

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chiiさん(@chihiro.0723)がシェアした投稿

クリスマスシーズンの北欧ヴィンテージのインテリア。「冬」や「雪」というキーワードにぴったりの北欧らしく、ツリーとの相性も抜群。季節を問わず、年中楽しめる北欧ヴィンテージですが、寒い季節になるとさらにいい雰囲気。

ヤコブソンのランプがアクセントになって、空間を引き締めています。

 

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asamiさん(@alife_22)がシェアした投稿

和室にだって北欧ヴィンテージ。こんなにしっくりくるのです。もしかしたら、このヴィンテージチェストだけだと少し淋しく、ここだけ浮いた空間になっていたかもしれません。

ですが、上に飾られた「マリメッコ」の「ルミマルヤ」のファブリックパネルのおかげで、ちゃんと北欧らしさを残しつつも、部屋の雰囲気は一切損ねていない素敵な和室に仕上がっています。

北欧ヴィンテージで心が温かくなる暮らしをはじめよう

どんな空間でも、まるでそこにあるのが当たり前かのようにスッと馴染む北欧家具と雑貨たち。我が家のリビングはモダンクラシックなインテリアですが、リサラーソンの花器やデンマーク製のスツールなど、いろんな北欧アイテムがところどころで違和感なく飾られています。

毎日見ていても、本当に飽きない。いつも同じようにただ眺めているだけなのに、そのたびに心が温かくなってくる不思議な感覚に襲われるのです。「人と家具の歴史」を、目で、肌で、匂いで感じられることが、北欧ヴィンテージの一番の醍醐味のように感じます。

ともに月日を過ごし、いつまでもそばいたいと思えるような一生モノとの、素敵な出会いがありますように。